【ドラ1の知られざる苦悩】元ダイエー大越基(2)“甲子園のアイドル”元木を「ぶった切る」
2022/10/17
産経新聞社
上宮へのリベンジで夢叶える
宮城県大会を1試合以外コールド勝利という圧倒的な力の差を見せ、仙台育英は夏の甲子園の出場権を手にした。
1989年の第71回全国高校野球選手権大会、仙台育英は1回戦で鹿児島商工、2回戦で京都西、3回戦では弘前工業を破った。そして準々決勝で再び上宮と対戦することになった。
「試合前、楽しみでもありましたし、弱気もありました。春の嫌な感じが躯には残っていましたし」
試合が始まり、マウンドに上がると不思議なぐらい、春に打たれた感覚は消えていたという。
「もう本当にぶった切ってやろうと。特に元木。彼は甲子園のアイドルで、キャーキャー言われていた。こっちは不細工な顔で芋臭いピッチングフォーム。元木の金属バットをへし折ってやろうという感じで投げてました」