【ドラ1の知られざる苦悩】元ダイエー大越基(4)想定外の1位指名に「まずいことになったと」
2022/10/17
産経新聞社
教え子たちへ伝える、プロの厳しさ
大越は〝代走〟〝守備固め〟など一軍の脇役としての役割をこなし、2003年に引退。その後、高校教師を目指して、東亜大学に編入し教員免許を取得した。そして2007年に山口県下関市の早鞆高校に保健体育の教員として赴任、野球部の監督となっている。2012年春、大越は監督として久しぶりに甲子園の土を踏んでいる。
教え子の中にはプロに入りたいという選手もいる。
プロ野球で生き残るにはよほどの力が必要だと大越は考えている。
「秋山(幸二)さんを初めて見たとき、スーパーサイヤ人だと思ったんですよ。何やらせても抜きんでていた。ぼくが会ったときは選手生活としては終盤の時期でした。若いときはどんだけ凄かったんだろうと。
小久保(裕紀)にしろ、井口(資仁)にしろ、城島(健司)、松中(信彦)にしても、生まれつきの体力が尋常じゃない。あそこに行って10年以上できる子じゃないと薦められない。行くときは華やかだけれど辞めるときはあっさり。その後の人生のほうが長いし」
今、自分が元プロ野球選手だったという感覚が全くないんです。現役の選手と会うと、凄い人たちだと素直に尊敬してしまうんですと、大越は楽しそうに笑った。それは高校生と向き合っている教諭の顔だった。
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【収録選手】
CASE1 辻内崇伸(05年高校生ドラフト1巡目 読売ジャイアンツ)
CASE2 多田野数人(07年大学生・社会人ドラフト1巡目 北海道日本ハムファイターズ)
CASE3 的場寛一(99年ドラフト1位 阪神タイガース)
CASE4 古木克明 (98年ドラフト1位 横浜ベイスターズ)
CASE5 大越基(92年ドラフト1位 福岡ダイエーホークス)
CASE6 元木大介(90年ドラフト1位 読売ジャイアンツ)
CASE7 前田幸長(88年ドラフト1位 ロッテオリオンズ)
CASE8 荒木大輔 (82年ドラフト1位 ヤクルトスワローズ)