目立った補強なし。ライオンズの課題は控え選手の底上げ――外国人選手の働きがポイントに
2016/01/11
2人の外国人選手加入で投手陣の編成は?
資金力が十分でない西武は2016年シーズンを迎えるストーブリーグで、目立った動きが見られなかった。昨季ファーストやライト、代打で118試合に出場し、打率.294の好成績を残した脇谷亮太がFAで巨人に移籍したなか、新人を除いた新加入は外国人投手のC・C・リーとアンディ・バンヘッケン、外野手の竹原直隆のみ。チームの成績はフロント力と現場のパフォーマンスで決まるが、後者に大きく依存しながら新シーズンを迎えることになる。
昨季4位に沈んだ一因は、6人の外国人選手が総じて期待を裏切ったことだった。
外国人選手の働きはシーズンが始まるまで予測のつかない一方、彼らがチームの新陳代謝をどれだけ活性化させられるかにペナントレースのポイントがある。
先発候補として獲得した36歳のバンヘッケンには、西武にしては高額な年俸1億4000万円を支払っていることから期待の大きさが窺える。韓国球界で4年連続ふたケタ勝利を飾っている193cmの左腕投手は、スリークオーターから140km台のファストボールとフォークを投げ込み、2014年には20勝で最多勝に輝いた。
バンヘッケンが安定した投球を見せることができれば、先発ローテーションはこの左腕と岸孝之、菊池雄星、十亀剣、髙橋光成、野上亮磨か牧田和久の6枚で回していける。昨季のイースタンリーグで12勝を挙げて最多勝に輝いた誠が先発陣に食い込んできた場合、牧田と野上をブルペンに回す手もあるだろう。
むしろ長年の課題である中継ぎ陣を強化するためには、バンヘッケンと若手(候補は誠か佐藤勇、郭俊麟、新人の多和田真三郎)を前で回し、経験のある牧田と野上を後ろで使ったほうが、計算が立つのではないだろうか。この先発ローテーションで上位を目指すためには、エース岸のフル回転はもちろん、菊池の働きも鍵を握る。
ブルペン陣では、今季も高橋朋己、増田達至、武隈祥太が中心となる。
しかし、昨季の登板数は高橋が62、増田が72、武隈が67試合と多く投げており、今季も同じ活躍をできる保証はない。そこで期待を寄せられるのが、年俸8400万円で獲得したC・C・リーだ。
右のサイドスローから最速156kmのフォーシームとツーシーム、スライダー、チェンジアップを投げ込むC・C・リーは、メジャーリーグの在籍3年間で中継ぎとして47試合に登板した経験を誇る。とりわけ2014年は、37試合登板と戦力になった。昨季わずか2試合しか投げていない点が気にかかる一方、力のあるファストボールでメジャーリーガーと勝負してきた右腕が勝ちゲームを担うことができれば、高橋、増田、武隈の起用法もグンと幅を増す。