14回中9回ホームへ。先頭打者の出塁を得点につなげたホークス
2014年の日本シリーズの勝敗のカギはどこにあったのか? 全体の出塁数、先頭打者の出塁から分析してみた。
2014/11/01
出塁率は変わらずも、生還率で勝ったホークス
3年ぶりの日本一を狙うソフトバンクと、レギュラーシーズン2位から29年ぶりの日本一を目指した阪神の間で争われた今年の日本シリーズ。4勝1敗でソフトバンクが制し、今季限りで退任する秋山幸二監督の有終の美を飾った。
勝敗のポイントはどこにあったのだろうか。全体の出塁数、先頭打者の出塁から分析してみよう。
阪神のチーム打撃成績は150打数28安打、打率.187。
ソフトバンクのチーム打撃成績は162打数39安打、打率.241。
打率では6分近くの差があったが、出塁率を見ると阪神が.272で、ソフトバンクが.283と全体からすれば大きな差はなかった。
阪神が18四球、ソフトバンクが9四球。四球数の違いがその一因だろう。
出塁率に差はあまりなかったものの、得点では阪神が10、ソフトバンクが15と5点も違う。
内訳をみると、相手のエラーも含めて阪神の選手が出塁した回数が46回。そのうち本塁に還ってきた、つまり得点した選手は10人で生還率は21%。
一方のソフトバンクは54人の選手が出塁し、15人が本塁に生還した。生還率は27%。
ソフトバンクのほうが、出塁したあとの攻撃に長けており、確実に得点につなげたということだ。
先頭打者の生還の差が勝敗につながる
出塁の内容で見ても、ソフトバンクのほうが上回っている。
阪神は5試合45イニング中、先頭打者が凡退した回数は36回。割合でいえば86%だ。
ソフトバンクは44イニング中、先頭打者が30回、68%の先頭打者が凡退した。つまり、ソフトバンクのほうが、阪神より各イニングの先頭打者が出塁していたのである。
第1戦、阪神は4回と5回に先頭打者が出塁し、どちらのイニングでも得点した。
しかし、その後は計7イニングで先頭打者が出塁したが、一度も得点をあげることはできなかった。
日本シリーズ全体で先頭打者が9回出塁し、得点があげられたのは2回にとどまった。
対するソフトバンクは日本シリーズ全体で先頭打者が14回出塁し、そのうち9回で得点した。非常に高確率だ。
ソフトバンクは先頭打者が出塁したイニングで効果的に得点し、守っては先頭打者の出塁を許した後をしっかりと防いだ。