先発課題の埼玉西武、郭俊麟への期待――”来日2年目の助っ人”として結果問われる1年
2016年、ライオンズの浮上のカギはいかに投手陣が整備されるかだ。中でも若手先発投手の台頭は必要不可欠だ。注目は「2年目」の、あの投手だ。
2016/01/19
台湾人右腕が持っていたふたつの顔
西武が上位争いを繰り広げるうえで、ポイントになるのが若手先発投手の台頭だ。新たな戦力が出てくれば、実績と経験のある牧田和久、野上亮磨を中継ぎで起用することもできる。
誠や佐藤勇、新人の多和田真三郎らが候補に挙がるなか、期待されるのが郭俊麟だ。
この台湾人右腕は昨季、“ふたつの顔”を持っていた。各チームが一軍に4人の登録枠を持つ「助っ人外国人」と、大学を卒業したばかりの「新人選手」としての顔である。
来日1年目の昨季は21試合に登板、17試合に先発して3勝7敗、防御率5.31。助っ人外国人としては、とても満足のいく成績とは言えない。
しかし、大卒1年目の新人投手として考えれば、悪くない1年を送ったと言えるのではないか。2年目の飛躍に向けて、貴重な経験を積むことができた。
「俊麟を獲得したのは、日本の大学生を上位でドラフトしたみたいな感覚」
渡辺久信シニアディレクター(SD)は昨季序盤、そう話していた。大卒の上位投手なら即戦力の活躍を求められるものの、渡辺SDは必ずしもそうした期待を寄せていたわけではなかった。
「去年(2014年)の夏に台湾で見ているんだけど、春先はケガしていたので、今年(15年)に入って、早くても6月か7月に出てくればいいかな、くらいに見ていた。台湾ではそんなに投げていないけど、プロでは1年間投げる体力がないと先発ローテーションを守れない。ファームでバンバン投げて、そこからチーム状況によって6、7月の苦しくなってくる時期に出てくればいいかな、くらいに考えていた」