先発課題の埼玉西武、郭俊麟への期待――”来日2年目の助っ人”として結果問われる1年
2016年、ライオンズの浮上のカギはいかに投手陣が整備されるかだ。中でも若手先発投手の台頭は必要不可欠だ。注目は「2年目」の、あの投手だ。
2016/01/19
郭が評価されている理由
郭俊麟が西武に評価されていたのは、最速153kmのストレートの質、チェンジアップやスライダーという技術的な部分に加え、大学生の頃から台湾代表として投げてきたことだ。
昨季序盤、渡辺SDがこんな話をしていた。
「マウンドに上がっているとき、全体的にピッチャーとしての雰囲気がいい。台湾で各年代のナショナルチームでエースとして、国を背負って投げてきているピッチャーなので、やっぱりハートの強さがある。怯まないよね。バッターに対していろんな状況があるわけだけど、マウンドでの立ち振る舞いがいい」
現状の武器に加え、渡辺SDは郭俊麟をもっと伸ばせると考えている。その根拠は、台湾人投手であることだ。
同国のプロチームでコーチ経験を持つ渡辺SDが、その理由を説明する。
「アジアの人間は基本、日本式の練習をしたほうがいいと思っている。筋肉とか、骨格の関係だね。台湾ではアメリカに目が行っている選手がたくさんいるけど、大概潰れている。アジア人の体つきを考えると、それなりの練習法があるし、投げ方もあるんだよね。俊麟はまだ下が使えていない投げ方だから、これからやっていくことがある。そのために複数年契約でやっているしね」
来日1年目の昨季は開幕3戦目のオリックス戦で初先発すると、打線の援護にも恵まれて初勝利を飾った。続く4月5日のソフトバンク戦では8回無失点で2勝目を挙げたものの、以降は制球に苦しみ、序盤でKOされる試合が続く。調子の波が激しく、交流戦に入ると先発の間隔が空くようになった。