88年組の代表格・前田健太はメジャーへ。球界のエースを担う大野雄大、このままでは終われない斎藤、大石
田中、前田ら実力ある選手が集まる「88年組」。前田が移籍した今、日本球界を引っ張るエースは中日の大野へ。そして、かつて、この世代のトップだった2人が今年こそ復活なるか。
2016/01/19
ドラフトで6球団が競合した西武・大石。雪辱を期す6年目のシーズン
10年のドラフト会議で、斎藤と同じ早稲田大学からプロの門を叩いたのが西武の大石達也だった。ドラフト1位で6球団が競合したほど、その期待は大きかった。当時はプロでの活躍を誰もが疑っていなかったはずだ。
しかし、プロ入り後は「150キロ右腕」と謳われながら、投球フォームを崩し球速が140キロに届かないほど落ちた。また右肩の故障の影響もあり、プロ5年間でわずか1勝と悔しいシーズンを繰り返した。
打者への転向も打診された。しかし、大石は断った。打者としても非凡な才能を持っているがゆえのことだったが、大石は投手としてこれまでの雪辱を期す6年目のシーズンへと挑む決意だ。
確かな光明があった。森慎二2軍投手コーチのアドバイスによる体重移動を意識したフォームに取り組んだことで、球速が145キロまで戻ってきた。順調にいけば、今季は西武プリンスドームのマウンドで大石が奮闘する姿を見られるかもしれない。“眠れる獅子”はこのままでは終われないはずだ。
それぞれの道を歩む88年組の選手たち。他にも、昨季キャリアハイの9勝を挙げ、さらに飛躍が期待されている広島の福井優也、昨季は守護神として36セーブを挙げた巨人の澤村拓一もこの世代の一員だ。
現在、球界では88年組が各チームの中心選手として輝きを放っている。そして、これからも日本野球の未来を明るく照らし続けてくれるに違いない。