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「広島→青森→広島」青森大の俊足外野手・名原典彦はカープ機動力復活の“救世主”となるか

2022/10/30

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川浪康太郎



「成長できる環境」求め青森へ

 広島生まれ広島育ちで、高校は瀬戸内でプレー。3年春には選抜に出場し、1回戦で敗れたものの1安打を放った。大学は広島から1000キロ以上離れた青森大に進学。「プロを目指す上で自分を一番成長させられるのはどういう環境なのか考えた時に、地元から離れた場所がいいと思った。例えば、地元だと友だちに遊びに誘われることもあるけど、青森だとそれができない」。自らを律し、野球に打ち込むため、地元からの距離と野球部のレベルを鑑みて進学先を決定した。
 
 青森大では1年秋からベンチ入りし、3年春には右翼のレギュラーをつかんだ。大学入学後に体を大きくし、変化球への対応力を向上させたことで、3年秋と4年秋に3割超の打率をマークするなど打撃が成長。また元々持ち味だった俊足にも磨きをかけ、高校時代は6秒2だった50メートル走のタイムを5秒9まで縮めた。最終的にリーグ戦通算37試合で18盗塁と積極的に走り、プロのスカウトも目を引くほどの武器にしてみせた。名原は4年間を振り返り、「青森に来て正解だった」と胸を張って口にする。
 

 

故郷でスピードスターへの道を歩めるか

 カープの今季チーム盗塁数26はセ・リーグワーストで、球団ワースト記録でもあった。現役時代に俊足を生かして活躍した福地寿樹氏の2軍打撃兼走塁コーチ就任も発表されており、カープにとって機動力アップは喫緊の課題。名原と同タイプの野手は少ないため、入団後のアピール次第では早期の支配下登録もあり得るだろう。端整な顔立ちと明るい性格も人気を博しそうだ。「課題であるバッティング、特にパンチ力を伸ばしながら、全体的にもう一段階レベルアップしたい」。カープの新たなスピードスター誕生が、今から楽しみでならない。
 
取材・文 川浪康太郎

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