実働29年224勝の工藤公康と、90年代最強投手だった斎藤雅樹。対照的な今年の殿堂入り投手
今年の野球殿堂顕彰者5人を、野球殿堂博物館が18日に発表。「プレーヤー部門」に、現在巨人で二軍監督を務める斎藤雅樹と、ソフトバンクで監督を務める工藤公康が選出された。
2016/01/20
90年代、日本球界最強の投手
斎藤雅樹は県立川口高校から1982年ドラフト1位で巨人に入団。学年では工藤の1年下になる。同期同学年には荒木大輔、川相昌弘、彦野利勝などがいる。斎藤は荒木大輔の外れ1位だった。
■斎藤雅樹
1965年生まれ 右投右打 1983年-2001年（実働18年）
426登板 180勝96敗11セーブ 2375.2回 1707奪三振 防御率2.77
最多勝利5回、最優秀防御率3回 最高勝率3回 最多奪三振1回 MVP1回 沢村賞3回 ベストナイン5回 ゴールデングラブ4回 オールスター出場6回
入団後に当時の藤田元司監督の助言もあり、投球フォームをサイドスローに変更。85年に先発、救援で12勝を挙げて注目されるが、そこから3年間は低迷した。しかし89年に20勝で最多勝を獲得すると、一気に頭角を現し、以降斎藤は巨人のみならず日本球界を代表するエースとなる。しかし残念ながら200勝には届かず（通算180勝）、惜しまれて引退した。
平成元年から10年間（1989-1998）のNPB投手の勝ち星ランキング。
1. 斎藤雅樹 254試合 141勝77敗
2. 星野伸之 254試合 122勝89敗
3. 山本昌 275試合 110勝77敗
4. 桑田真澄 226試合 108勝79敗
5. 工藤公康 237試合 104勝58敗
6. 槙原寛己 254試合 102勝74敗
7. 野村弘樹 246試合 93勝71敗
8. 今中慎二 221試合 91勝68敗
9. 西崎幸広 208試合 88勝79敗
10. 野田浩司 272試合 86勝74敗
斎藤雅樹は、間違いなくこの10年間の最強投手だった。
1950年以降デビューの投手で、200勝以下で殿堂入りしたのは斎藤を含め11人（投手成績の残る打者は除く）。
長谷川良平 621試合197勝208敗
秋山 登 639試合193勝171敗
杉浦 忠 577試合187勝106敗
斎藤雅樹 426試合180勝96敗11セーブ
荒巻 淳 508試合173勝107敗
大野 豊 707試合148勝100敗138セーブ
外木場義郎 445試合131勝138敗3セーブ
藤田元司 364試合119勝88敗
関根潤三 244試合65勝94敗
津田恒実 286試合49勝41敗90セーブ
佐々木主浩 439試合43勝38敗252セーブ（NPBでの成績のみ）
いずれも一時代を築いた投手たちだ。斎藤雅樹は成績でもインパクトでも全くそん色がない。
優勝請負人として息の長い現役生活を送った工藤公康と、1990年代最強投手だった斎藤雅樹。ともに、殿堂入りにふさわしい投手と言えるだろう。