「マスゴミ」扱いでなく情報の吟味を――SMAP解散騒動から考える、野球報道の楽しみ方【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#21】
SMAP解散騒動は、スポーツ紙の売り上げにも貢献しているという。こういう各紙の読み比べなどをして、メディアリテラシーを上げると野球報道の楽しみ方も変わってくる。
2016/01/23
結婚報道からわかる、新聞の選手への食い込み具合
本稿はタイトルに謳っている通り、ファイターズコラムなので、野球に話を戻す。北海道の読者なら「北海道新聞」「道新スポーツ」は無視できない媒体だと感じてるだろう。チームに出資もしている、基本的に正しい情報が載る。詳しい。先程の言い方でいうなら、球団とヒモがついている。言わば「大本営」だ。逆にいえば正確な情報しか載らない(ウワサや怪情報は扱わない)。球団に都合の悪い情報もあんまり出さない。
だから僕らライターにとっては道新はベースだ。その上で他の媒体がどの選手にどのくらい食い込んでいて、どんなネタを取ってくるのかウォッチする。
これはスポーツ紙の記者に教わった尺度なんだけど、新聞が選手にどのくらい食い込んでるかを知るのにいちばん手っ取り早いのは「結婚(婚約)報道」だという。選手からすると、いちばん足繁く通ってくれた、つきあいの深い記者に「ありがとさん」と特ダネを提供してくれる機会が「結婚(婚約)報道」なのだ。それは球団と新聞社の、会社どうしの関係性ではない。いわゆる「大本営」ではない新聞が「結婚(婚約)」ネタをスクープすることがある。というかそのほうが圧倒的に多い。具体的に言うと例えば武田勝の結婚スクープはスポーツ報知だった。
つまり、ある選手にどの媒体が食い込んでるかをインプットできると、次に何か大きなことがあったらその媒体はどんな情報を出してくるだろうと注目できる。この選手にはここが強そうだ。この手のネタならここが強そうだと当たりがつけられる。そういうのは各紙を読み比べたりして、じわじわメディアリテラシーを上げるしか方法がない。で、わかってくると野球報道がぐんぐん面白くなるんだなぁ。
日本ハム、29年ぶりの米国キャンプ。生中継映像に「人類月に立つ」的な感動【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#22】