未完のエース候補、DeNA・飯塚。昨年二軍登板5試合も2年目「先発ローテ候補の一人」へ
昨年はイースタンリーグでわずか5試合の登板のみ。それでも今季の躍進を期待せずにはいられない。それほど飯塚悟史には魅力を秘めている。
2016/01/27
ひじを痛めて体作りに専念できた
昨シーズンは開幕からファームで快調に投げていたが、4月下旬、ゲーム中に右ひじの違和感を覚え、5月に遊離軟骨除去手術を受けている。飯塚にとってプロ1年目は、ほろ苦くも雌伏のときを過ごすシーズンとなってしまった。
1月中旬、寒空の横須賀のベイスターズ球場で飯塚は自主トレに明け暮れていた。そこで昨シーズンについて尋ねてみたのだが、飯塚の表情は意外にも明るいものだった。
「入団して最初は正直、急にオトナの世界に入ってしまい怖かったんですよ(笑)。緊張しっぱなしでした。新しい環境の中、なにも分からない状態で、どんどんアピールしなきゃいけないと飛ばしてしまい、結果的にひじを痛めてしまいました。ただ一方で、怪我をしたことによって、体作りに集中することができたんです。下半身や体幹を中心に体を追い込めたことで、今はすごく状態がいいんです」
たしかに入団したころは186㎝という身長のわりにはひょろっとしたイメージがあったが、現在はひと回りもふた回りも体が大きくなっている。とくに太腿と臀部ががっしりしてきている。
昨年の9月26日に横須賀スタジアムで行われたファームのホーム最終戦。飯塚は5回からマウンドに上がり、4月以来の復活登板を果たした。フォアボールをひとつ与えたものの、ストレートを軸に変化球で揺さぶり、内野ゴロと外野フライで打者を打ち取り1イニングをきっちりと押さえた。春先よりも心なしか、フォームがダイナミックになり、球威が上がっているように感じられた。
「キャッチャーからボールが来ていると言われましたし、確かに球の強さは上がったと思います。フォームに関しては、以前よりも躍動感が出るように、しっかりと腕を振り切ることを意識しています。おそらく以前は手投げだったからひじに負担がかかってしまったと思うんです」
怪我中に下半身と体幹を徹底的に鍛えたことで土台ができ、体を大きく使い、深く踏み込めるようになった。