阪神・江越は山田や柳田に匹敵する身体能力。金本監督はどこまで将来を見据えた起用ができるか
金本知憲新監督を迎えた、2016年の阪神。「ベテラン依存」からの脱却を図る上で、期待の若手が台頭することが不可欠だ。
2016/01/26
高い身体能力を誇る
金本知憲新体制で11年ぶりのリーグ優勝を目指す今季の阪神。チーム成績はもちろん、球団、ファンが金本監督に期待するのは、ここ数年解消できていない「ベテラン依存」からの脱却だ。
主力の高齢化には歯止めがきかず、若い選手もなかなか台頭してこない。2003、05年優勝時の赤星憲広、今岡誠、藤川球児に代表されるように、成長著しい若手選手がレギュラーに名を連ねるようでなければ、昨季3位からの上積みはなかなか期待できない。
そんな阪神において今季、飛躍を期待されている選手がプロ2年目の外野手・江越大賀だ。
プロ野球の世界で、選手が「ブレイク」するためには、いくつかの条件が必要になる。
ひとつは、「実力」。当たり前のことだが、一軍レベルで結果を残せるだけの実力を備えていなければ、プロでブレイクするなど夢のまた夢。
江越は昨季、プロ1年目ながら後半戦に一軍定着。おもに7番センターを任され、56試合で打率.214、5本塁打、16打点、2盗塁を記録している。数字的にはまだまだ物足りないが、二軍では48試合で打率.309、8本塁打、20打点、6盗塁と高い順応性を見せ、ブレイクに向けた顔見せ、下地づくりは済んでいるといっていい。
江越の最大の魅力は、その高い身体能力にある。
昨季、チームの新人としては岡田彰布以来、35年ぶりに2試合連続本塁打を放ったパワー、遠投120メートルを誇る規格外の強肩、14年ドラフト指名81選手中、最速タイとなる50m5秒8の俊足。
使い古された表現だが、「走攻守」3拍子揃ったプレーが最大の持ち味。
近年、プロ野球界では昨季トリプルスリーを達成した柳田悠岐、山田哲人を筆頭に、身体能力が高く、パワーとスピード、技術を兼ね備えた「アスリート型」の選手がトレンドとなりつつある。江越は間違いなく、現在の野球界の潮流にそったハイスペックな選手といえる。