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機動力の立岡?長打力の大田? 巨人、20代正外野手の台頭に期待【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は特に巨人の外野陣についてだ。

2016/01/29

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打撃力重視か、機動力重視か?

 今季の巨人の外野手登録の選手の2015年の一軍、二軍の成績をまとめた。 
G表
 17人の外野手が登録されている。
 新外国人のギャレットも外野手登録だが、キャリアでは一塁を守った試合のほうが多い。外野では右翼を守ることが多いものの、守備は良いとは言えない。長打力は抜群だが、正右翼手として起用するのは疑念が残るところだ。
 
 昨年、不振に陥った長野は元首位打者でもあり、レギュラーから外せないだろう。右翼手としても堅実だった。
 左翼、中堅、残る二つのポジションにどの選手を充てるか。二つの考え方があると思う。
 
 一つは、中軸を担う選手を据えるプラン。
 万年中軸候補の感のある大田泰示は、二軍での数字を見れば、やはり長打力は魅力だ。守備としては左翼で起用すべきか。
 橋本到は、シュアな打撃が持ち味。この選手は中堅での起用が多い。4月、順調なスタートを切ったものの、5月以降は不振に陥った。シーズン通しての経験は少ない。
 長打力が魅力のレスリー・アンダーソンも外国人枠の制約を考えると、ギャレットのサブ的な位置になるのではないか。
 
 もう一つは、スピード感のあるリードオフマンを起用するプラン。
 昨年、立岡宗一郎は、91試合の出場ながら3割をマークした。シーズン途中から1番に定着。低迷する打線の中で一人気を吐いた。守備範囲も広く、今年も中堅の最有力候補。ただ、四球数は少なかった。
 早大出身、ドラフト2位の重信慎之介は青木宣親二世の評判が高い。大学通算.333の打率もさることながら出塁率.410と選球眼の良さが目立つ。早くプロ野球に適応できれば、レギュラー争いに割り込むのではないか。
 
 亀井善行、鈴木尚広、堂上剛裕、松本哲也らも、長いペナントレースの中で、必ず活躍してもらわなければならない選手たちだ。しかし、こうしたベテランが外野の正位置を獲得するようでは、巨人の展望は開けないだろう。
 今年こそは20代の外野手が規定打席に達してほしいところだ。

20代外野手の台頭に期待

 実績から考えれば、長野、立岡を軸に残り1枠を争う形になりそうだ。
 
 今季から巨人の采配を執る高橋由伸新監督は、東京六大学屈指の外野手として巨人に入団。開幕から7番右翼で起用され、ヤクルト高木晃次から初安打を打った。以後も先発で起用され、打率3割ちょうどをマーク。ゴールデングラブを受賞した。
 
 使い続けることで経験値を増し、力を発揮する。
 そのことを何よりも知る新監督の下で、今年こそ若手外野手の飛躍を期したい。

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