「ドミニカ選手にとってアメリカに次ぐ選択肢」中日エルナンデスが語る日本球界
ドミニカのウインターリーグでのプレーを終えて、中日のエルナンデスはキャンプインの準備に入った。現地でプレーしていた本人に来日前に話を聞いた。
2016/01/28
高橋康光
日本球界のレベルは限りなくメジャーリーグに近い
――12月にドミニカでプレーしていたDeNAの筒香(嘉智)選手は、ドミニカでは皆が楽しんでプレーしていて、自分自身も非常に楽しいと話していたそうです。
「本当に?(笑)。確かにここではミスをしたということで叱られることはないし、皆が喜びを持ってプレーしていますね。たとえ負けても、今日は今日、明日は明日と切り替える。ここでは野球はエンジョイするものなんですよ。もちろんミスをすることはあるけれど、いつまでも下を向いてるわけにはいきません」
――アメリカ、ドミニカ、メキシコ、日本と様々な国でのプレー経験を持っているあなたからみた日本球界のレベルはどのように映るのでしょうか。
「日本の野球はあらゆる意味で真面目ですね。でもレベルは高いと思います。メジャーリーグと3Aの間ぐらいに感じますが、限りなくメジャーリーグ寄りでしょうね」
――メジャーリーグでもやっていけそうな日本人選手はいますか。
「誰というより、その力のある選手はたくさんいますよ。特にピッチャーですね」
――侍JAPANにも選出されている、チームメイトの大野(雄大)投手や平田(良介)選手はどうでしょうか。
「もちろん彼らなら大丈夫だと思いますよ。今度MLBに移籍する広島の前田(健太)ももちろんいい投手です。多くの日本人選手がメジャーリーグと契約するチャンスがあるのは素晴らしいことです」
――この2シーズン対戦した中で印象に残っている日本人ピッチャーなどいますか?
「それを選ぶのは難しい(苦笑)。本当にいい投手がたくさんいます」
――日本人はドミニカ人選手というとパワーヒッターをイメージしますが、あなたはそういうイメージとは違うプレーヤーですね。
「子どものころから今のスタイルですね。ホームランバッターではないし、ヒットをコツコツと打つタイプでした。日本人からも日本人のスタイルと似ていると言われます」
――体格的に日本人と変わらないという点でも、日本人選手にとってよいお手本になるのではないですか。
「そうですね。亀澤(恭平)、遠藤(一星)といったチームの若手にはできる限りのアドバイスをしていますし、彼らもよく耳を傾けてくれます。楽しみな選手が中日はいます」
――中日は毎年若手選手をドミニカに送っています。
「いいことだと思います。ここでは日本と違う野球を経験できます。そして試合に出られれば、ただ練習しているよりもより効果的ですから」
――今シーズンは濱田(達郎)選手が来ていましたが、残念ながらリーグでの登板はできませんでした。
「故障もあったようだし、残念ながらパラレラ(リーグ戦と並行して行われるサブリーグ戦)のみの登板だけになってしまったけど、彼がいいピッチャーというのはわかっています」