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カープ・野村へ継承される前田健太の魂――肉体改造と新変化球習得で巻き返しを図る2016年

カープ先発陣の最大の課題は、エース・前田健太の抜けた穴を今ある戦力でどうカバーしていくかだろう。

2016/02/02

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“速い”カーブを習得

新たな変化球の取り組みもある。スピードがこれまでより速い「パワーカーブ」の導入である。もちろん、従来のカーブと使い分けることを目指している。

「カーブは打者の目線を変えたりすることのできる球種ですが、そのカーブにも緩急をつけるということです。緩いカーブだけでは、バッターにわかってしまいます。同じ軌道で速いカーブと遅いカーブがあれば、バッターも(打席で)考えるだろうとおもいます」

ヒントは、球界のエース前田健太のピッチングである。「マエケンさんを見ていると、同じ球種でもズラしたり、斜めにしたり、横に外したり、曲がりを大きくしたり、小さくしたりしています」

野村の取り組みは、カーブという一つの球種を二つにするだけのものではない。一球一球の操作性を高め、変幻自在の域につながっていくのである。

カープのエースは海を渡る。しかし、背番号18が見せた投球術や魂は、チームメイトに受け継がれている。
2016年のカープに前田健太はいない。しかし、彼が残したものもある。継承できる才能豊かな若き投手もいる。カープの投手黄金時代はまだまだ続くはずである。

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