福良監督も評価。オリックス若月、目指すは「未来」ではなく「現在」の正捕手【どら増田のオリ熱コラム#66】
昨年の一軍での経験を糧に、オリックスの正捕手の座を今季3年目の若月健矢が狙う。
2016/01/31
指揮官「キャッチャーの能力がある」
「若月は最後まで任せようかなと思える強気のリードだった。バッターの反応とかよく見ているしキャッチャーの能力があるよね。直近の戦力として考えている」
昨年10月1日の西武戦を4対1で勝利した後、福良淳一監督代行(当時)はプロ4試合目の先発で初めて試合終了までマスクをかぶり続けた若月健矢に対して、笑みを浮かべながら、こう称賛した。
西武の秋山翔吾が前日に5安打の大当たりで、マット・マートンに並ぶ歴代最多安打記録214安打を記録したことで、この日の京セラドームは「新記録達成なるか?」という異様な空気に包まれていた。
「通用するかはわからないですけど、自分なりに(対策を)考えて来たことはあります。もし今日抑えたら僕の株が上がりますかね」
試合前、若月に秋山の記録が掛かっていることをぶつけてみると、秋山に対して「特別に感情はない」と前置きをした上で、こんな話をしてくれた。
シーズン終盤に一軍に昇格(5月に初昇格を果たしているが代走のみの出場だった)。即スタメンマスクを任されたことで、当初はかなり疲れたようだが、この日は「だいぶ慣れてきましたね。(先発の)バリントンとは二軍でも何度かバッテリーを組んでるのでやりやすいです」と語っていた。
若月はこの日自分自身に課したことがある。それは「最後までマスクを被ること」。
結果、秋山が6回の第3打席にサード内野安打を放ち、NPB新記録を達成。続く第4打席では左中間を破るスリーベースヒットを打たれた。その後、渡辺直人にタイムリーで1点を与えてしまったものの、最後まで試合に出場し、勝利に貢献することができた。
「いつも勝ちにいってますし、誰にもヒットは打たれたくないと思ってリードしてるんですけど、秋山さんの最後のスリーベースを間近で見てミートする能力は凄いなと思いました」と若月はこの試合の対戦を振り返った。
そして福良監督の言葉を伝えると笑顔で「うれしいっすね」と応えた。