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近年同タイプの選手は軒並み苦戦。巨人ギャレットは助っ人になれるか

 巨人の新4番候補として期待がかかるジョーンズ。しかしパワーヒッター・左投手が苦手・一塁兼外野手とこのタイプの選手の活躍例は多くない。米時代の成績は元阪神で期待を大きく裏切ったメンチと酷似している。

2016/01/30

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なかなか“助っ人”になりきれない

 今季の新助っ人のうち、おそらく最も高い注目を集めているのが、昨年12月に巨人が獲得したギャレット・ジョーンズだろう。メジャー通算122発という実績、3億を超える年俸だけでも注目される要素としては十分。
 その上ギャレットには、昨年チーム史上ワースト級の貧打に終わった巨人打線の救世主、V奪還の切り札として大きな期待がかけられている。
 
 今回はそんなギャレットの活躍を過去の同タイプの外国人選手との比較を通して占いたい。
 
 ギャレットの最大の特徴としてあげられるのが、そのパワーだ。メジャー2年目の2009年から6年連続で15本塁打以上を放っており、実働8年間で通算122本塁打。特に2012年にはプラトーン起用されながら27本塁打を放っている。打撃スタイルは、長いリーチを生かしてライトスタンドに運ぶ典型的なプルヒッターで、12年から15年で放った62本のうちセンターから左方向に打ったのはわずか4本だけだ。
 
 一方、弱点としてあげられるのが対左投手。右投手は打率.265,OPS.803と打ち崩しているギャレットだが、左投手に対しては打率.194,OPS.571とからっきし打てていない。新人時代から左投手対策が課題とされていたが、一向に改善が見られないため、4年目以降は対戦する機会自体を大きく減らされた。
 
 守備では一塁と外野の両翼を守れるもののどちらもレベルは高くない。
 外野手としては守備範囲こそ狭くないもののミスが多く、一塁手としては捕球技術、守備範囲共に平均以下だ。一塁しか守れない選手よりは起用の幅は広いが、内外野どちらにおいても穴となる危険性が高い。
 
 パワーヒッター・対左投手が弱点・一塁を中心に複数ポジションが守れる、この3つの条件に適合する近年の助っ人選手の一例として名前が挙げられるのが、以下の選手たちだ。元ソフトバンクのブライアン・ラヘア、元楽天のジョン・ボウカー、元広島のチャッド・トレーシー、元巨人のフアン・フランシスコもこのパターンにあてはまる。
 
 トレーシーは彼らと比べれば確実性に優れており、反対にフランシスコはバッティングが粗いため、選手としてのタイプだけを見れば最も近いのはボウカーか。プルヒッターである点や変化球に弱点を抱えている点、三振率(ギャレット:21.1%,ボウカー:21.9%)なども類似している。
 
 2013年にソフトバンクでプレーしたラヘアもかなりタイプは近い。
 ラヘアのほうがじっくりボールを待つスタイルで四球・三振共に多いものの、コンタクト率等は同程度。左投手を起用を避けられるほど苦手としている点も共通する。
 
 2選手の来日1年目の成績は以下のとおり。助っ人としては不合格と言える数字で終わっている。
 
ボウカー69試合出場 打率.196 3本塁打 OPS.577
ラヘア 111試合出場 打率.230 16本塁打 OPS.734
 
 トレーシー、フランシスコも期待を大幅に下回る成績に終始した。
 MLB通算本塁打数はボウカー17本、ラヘア21本とギャレットとが大きく上回っており、実績で上回るギャレットがより良い成績を残す可能性は少なくない。しかし同タイプかつより若い選手が近年苦戦している点は間違いなく不安要素と言えるだろう。

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