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【PR】「二度と書けない」1冊。今のベイスターズは新風吹き込むエリート集団と“もののけ”との壮絶な戦い<村瀬秀信氏インタビュー#2>

このたび、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』(双葉社刊)が文庫化された。著者・村瀬秀信氏がこの書籍を通じて野球ファンに伝えたかった思いとは――。2回目は文庫版の見どころを中心に話を伺った。

2016/01/30

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1960年黄金バッテリーの話から浮かび上がるホエールズの凄み

 2013年6月に『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』の単行本は発売されたが、時は流れ、当時とはベイスターズを取り巻く環境が変ったということで、文庫版では50ページほどの加筆・追記がされている。
 
 まずオールドファンにうれしいのが、60年のリーグ初優勝・日本一の立役者となった土井淳と秋山登の黄金のバッテリーの記述が厚みを増したことだろう。
 
「単行本ではどうしても98年の日本一に偏りがちだったので、60年の最強ホエールズの英雄たちはこんな人たちだったと新しいファンの方にも知ってほしいという気持ちがありました。読んでいただければ分かりますが土井さんに話を聞いて、あらゆる意味で当時のホエールズは凄かったんだって改めて感服しましたね。面白いもので過去の資料を読んでいると、ホエールズには選手兼監督ならぬ社長兼監督って今では考えられないような人が存在していたり、また1930年代の下関時代に社会人チームとして初めて都市対抗野球に出場したとき『大洋漁業はトロール船に乗って試合が行われる“横浜”に乗り込んでやろう』という当時社長の中部兼市の証言があったり、すでに運命は決まっていたんだなと(笑)。
 
 ホエールズは元々いい意味で適当、おおらかで、ときに荒くれ者になる海の男のチームなんですよ。だって60年の日本一の翌年は、いきなり最下位でしたからね。このギャップ。まあ昨シーズンも似たようなことがありましたが、やっぱりそこも伝統なのかなと」
 
 脈々と受け継がれる海の男たちのDNA。強烈な個性が光ってこそホエールズ&ベイスターズの野球ということなのだろう。しかし個性的がゆえに一致団結して足並みを揃えることは不得意。だからこそ稀なタイミングでしか優勝できないのかもしれない。

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