『ミラクル星稜』再び――右ひじ手術のロッテ岩下を支える言葉【マリーンズファーム通信#9】
『ミラクル星稜』の立役者の一人だった岩下大輝。プロ1年目オフ、その岩下の右ひじが悲鳴を上げた。右肘内側側副靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けて、長いリハビリが始まる。
2016/02/02
「ミラクル星稜ナイン」の言葉
故郷の仲間たちも励まし続けてくれる。
高校3年夏の県大会決勝、0-8で迎えた9回に一挙、9点を奪い、9-8で小松大谷高校に勝利して甲子園出場を決めた『ミラクル星稜』の仲間たち。17人いた同学年のチームメートと12月に久々に再開し、石川の温泉に旅行へ行った。その中で野球を続けているのは5人。高校時代の想い出話に花が咲き、そしてそれぞれが歩んでいる人生を語り合った。「みんな、自分が活躍することを楽しみにしてくれている」。怪我に負けてはいられないと気持ちを新たにして、故郷を後にした。
「なんとか来月にはシャドーピッチングを再開できる。今は走って走っての陸上選手みたいな毎日だけど、柔軟性のある筋肉をつけて、パワーアップしている最中です」
今は笑顔が戻るようになった。
日課は入浴する際に手術をした後の残る患部にそっと手を置き、揉み解すこと。復帰し、プロ初勝利し、支えてくれた人たちに恩返しをすると、その手術痕に誓う日々が続く。『ミラクル星稜』。あの時、どんな逆境でも笑顔を忘れず、諦めなかった姿勢を貫けた岩下なら、この人生の逆境の中でも大きな花を咲かせてくれるはずだ。