過去6人、成功組は伊東監督ただ1人。7人目、現役引退後即監督の高橋由伸監督はジンクスを振り切れるか
2015年に現役引退後即監督に就任した巨人の高橋由伸氏。過去には伊東勤監督ら6人が同じパターンを経験するも結果を出せたのは伊東監督ただ一人だ。高橋新監督はジンクスを跳ね返し、V奪還を果たせるのだろうか。
2016/02/03
長嶋監督も1年目は最下位
2月、キャンプインの時期を迎えたプロ野球。各チーム新戦力に期待の若手、復活を期するベテラン選手と話題は絶えないが、その中でも特に注目を集める1人が現役引退後即監督就任となった巨人の高橋由伸新監督だ。
昨年10月23日、ジャイアンツは2016年シーズンの新監督に外野手兼打撃コーチの高橋由伸が就任すること、同時に同選手の現役引退を発表した。
現役続行を希望していた選手が監督就任のために引退を決断したのは前代未聞。引退後即監督就任した選手ですら長いプロ野球の歴史で6人だけだ。以下はその選手たち。()内は監督就任年度とチーム。
藤田宗一(1954年 国鉄)
稲尾和久(1970年 西鉄)
長嶋茂雄(1975年 巨人)
広瀬叔功(1978年 南海)
有藤通世(1987年 ロッテ)
伊東勤(2004年 西武)
※坪内道典は51年の引退後即中日監督に就任も戦前に朝日と戦後のゴールドスターの2球団で選手兼任監督の経験があるため除外。
このうち初年度から結果を残したのは、就任1年目から日本一に輝いた伊東勤監督(現千葉ロッテ監督)だけだ。
伊東監督は2001年オフに監督就任要請を受けるも、兼任監督は中途半端になるとして固辞。以降2年間コーチ兼任で現役を続けた後、2004年に監督に就任した。
入団3年目以降20年に渡って正捕手を務めた自身の引退に加え、中心選手であった松井稼頭央の移籍、主砲アレックス・カブレラの長期離脱と厳しい状況であり、下馬評は決して良くなかった。
しかし4年目の中島裕之や3年目の細川亨、5年目の貝塚政秀らのブレイクでその穴を埋める活躍を見せたこともあり、シーズンを2位で終了。
プレーオフで日本ハム、ダイエーを倒すと、その勢いのまま日本シリーズでも中日を4勝3敗で制し、球団12年ぶりの日本一を成し遂げた。
伊東監督の場合は、投打に新戦力が続々と台頭したこともあり、1年目から最高の結果を残せた。
しかし他の5人はうち3人が最下位、他2人も5位と惨憺たる結果に終わっている。