顔面死球から復帰のロッテ・肘井、現状打破へ強い決意「生き残るために、怖さを克服する」【マリーンズファーム通信#10】
今季から捕手から外野手に転向する、千葉ロッテの肘井。2年目早々に一軍デビューを果たし、QVCマリンで非凡な打撃センスを見せた。しかしシーズン終盤、二軍の試合で顔面に死球を受けて大けがを負った。その肘井は、今強い気持ちを持って3年目のキャンプを送っている。
2016/02/05
千葉ロッテマリーンズ
怪我をプラスへ
退院後も10月下旬ぐらいまでは歩くのもフラフラするような状態だった。それでも11月には打ち始めると、遅れを取り戻そうとガムシャラな日々が始まった。激しい動きが出来ない分、ウェートに力を入れた。広背筋、三頭筋などを鍛え、体は怪我前よりも一回り大きくなった。バットスイングも鋭くなった、
「自分は父親譲りのプラス思考なんです。この怪我が逆にいい方向に向かうキッカケになると信じています。いろいろと自分の考え方を整理できた。体の作りも見直すことができた。今年のシーズン、その成果を見せたい」
好きな言葉は『現状打破』。
プロ入りした際に、座右の銘となるような、なにかいい言葉はないかと探している時に目についた。育成選手だった自分にはピッタリだと思った。
「きのうより今日。今日より明日。日々、成長している自分でありたい。どんな時でも現状には満足せず、突き進んでいきたい」
入団会見直前に決意したそんな強い信念がこの逆境で、肘井を奮い立たせる。
「やっぱり、頭の中で怖くないと思い聞かせても、体は正直で、腰が引けてしまう時はあります。でも、それも日々の慣れで絶対に克服する。『けがをする前より、肘井は良くなった』と言われるようにしたい」
あの大けがから月日は流れた。
いまだ、眉間にはハッキリと傷が残る。その出来事から目を背けるつもりはない。向き合い、克服して前へ進む。支配下登録2年目、決意の今シーズン。捕手登録から外野一本勝負と外野手登録に変更をした。苦難を乗り越えて背番号「69」が、大きな花を咲かせてみせる。