中村晃、筒香、秋山……野手準レギュラー組のオープン戦好成績は、スターへの第一歩【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はオープン戦の成績とレギュラーシーズンの成績との関連性だ。
2016/02/06
新人・井上に期待集まるが公式戦では……
次に2014年だ。
この年の春は、ロッテのドラフト5位、井上晴哉に話題が集まった。
オープン戦で快打を連発。新人のオープン戦首位打者は、オープン戦の成績が発表されるようになってから初。伊東勤監督は開幕戦で3番井口資仁、4番井上、5番角中勝也のオーダーを組む。しかし開幕戦は4打席無安打2三振。以後も不振が続き、5月1日には二軍落ちしてしまう。8月に再び1軍に上がるが、以後も成績は上がらなかった。
オープン戦の成績を足がかりに頭角を現したのがこの年の筒香嘉智だ。
2012年に三塁手でレギュラーに抜擢されるが、10本塁打、打率.218に終わる。2013年は故障もあって23試合の出場にとどまる。この年は中畑清監督(当時)の意向で、外野にコンバートされた。オープン戦の好調から「5番・左翼」に固定され、見事に3割をマーク。以後「侍ジャパン」のクリーンナップを任されるほどになった。
東北楽天ゴールデンイーグルスの岡島豪郎も捕手から外野手にコンバートされ、オープン戦で3割をマーク。俊足巧打の外野手としてチームトップの154安打を打った。