中村晃、筒香、秋山……野手準レギュラー組のオープン戦好成績は、スターへの第一歩【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はオープン戦の成績とレギュラーシーズンの成績との関連性だ。
2016/02/06
秋山が覚醒。オープン戦の数字は本物だった
最後に2015年だ。
なんといっても秋山翔吾だ。入団2年目の2012年から規定打席に達し、外野のレギュラーになった。ただ打率は2012年から.293、.270、.259と下り坂だった。開幕前は打撃面で伸び悩んでいるが、守備範囲の広い中堅手という評価だった。
しかし、シーズンが開幕すると好調を維持。トリプル3の柳田悠岐と.360台の超ハイレベルな打率争いを演じた。首位打者にはなれなかったがNPBのシーズン安打数記録を更新した。
田中賢介は前年までMLBに挑戦して復帰。正二塁手の座を与えられたが、安泰とは言えなかった。ベテランにもかかわらずオープン戦にほぼフル出場し、好成績を残した田中は、開幕後は3番にすわり、わずか4本塁打ながら66打点を挙げた。オープン戦12試合で6打点を挙げた勝負強さは本物だった。
こうしてみると、「期待を寄せられているのに、もう一つ殻を破れない」ような準レギュラー選手のオープン戦の好成績は、飛躍への兆候と見てよさそうだ。