京大初と騒がれて……ロッテ・田中、2年目へ静かなる闘志――悩める右腕を導いた松永の存在【マリーンズファーム通信#11】
昨年の春季キャンプで京大出身のルーキーは連日メディアの注目の的だった。しかし開幕してみればプロの洗礼を浴びることになった田中英祐。2年目は自分のペースで着実に前進している。
2016/02/09
千葉ロッテマリーンズ
一歩ずつ前に
1月上旬から2週間続いたトレーニング。ブルペンでの投げ込みこそ行わなかったが遠投は量をこなした。90メートルの遠投。ボールを受けた松永は、悩める右腕の2年目の進化を確かに感じ取った。「アイツ、頑張りました。よくなっていますよ」。石垣島キャンプでは二軍スタートになったが、必死にアピールしようと努力する後輩の背中を、優しい目で見守る。
「本当に一緒に練習をさせていただき、充実していました。このキャンプで、さらに手ごたえを掴んで、アピールして、今年は、一軍で勝ちたいです。一歩ずつ、しっかりと前に進んでいきたい」
プロ1年目だった昨春のキャンプで話題の中心にいた若者は今、黙々とトレーニングを続けている。昨年まで密着をしていたテレビカメラや新聞記者は連日、仙台育英高校から鳴り物入りで入団をしてきた平沢大河内野手の一挙一動を追いかける。その横で、静かに着々と成長を見せている。
「去年が異常だっただけですから」。クールにそう答える田中だが、その目は闘志を失っていない。先輩と共に過ごした自主トレでキッカケを掴んだ背番号「31」は1年目の挫折を乗り越え、飛躍の準備に余念がない。