【アメリカの眼】亡命したグリエルはメジャーで通用するか。契約のプロセスは兄弟で違いも
かりにMLBへ移籍となった場合、グリエル兄弟はどの程度やれるのか?米メディアは一斉にグリエル兄弟の亡命を報じ、彼らの母国での実績を、すでにMLBで成功をおさめているスターの亡命前の成績と比較し推し量っている。
2016/02/11
高橋康光
ほかの亡命選手と成績を比較すると……
2014年にDeNAでプレーした「キューバの至宝」ユニエスキ・グリエルと弟のルルデスが亡命したと複数のメディアが報じた。
ドミニカ共和国で開催されていたカリビアン・シリーズに出場していたが、キューバチームから離脱したという。MLBとの契約を目指しているのは間違いない。『ESPN』のデビッド・ショーンフィールド氏は、グリエル兄弟のメジャーでの潜在力を、彼らの母国での成績とすでにメジャーでプレーしているキューバ出身者の亡命前の成績を比較することで推し量っている。
アメリカとキューバの国交正常化交渉が進展中でありながら、グリエル兄弟が亡命とは意外な印象を持つファンもいるかもしれないが、記事では「アメリカ、キューバ両国は、キューバ選手がアメリカでプレーできるよう法整備を続けているが、まだ合意事項はない」とその背景にも触れている。
ショーンフィールドはまず、グリエル兄の日本での実績を紹介している。
2014年、ユニエスキは(規定打席未満ながら)出塁率(.349)でリーグ9位に入った。トップはバレンティンで.419だった。首位打者はマートンで打率.334だった。グリエルは2015年は日本に戻らなかった。故障もあり、横浜との契約をキャンセルしたのだ。
さらにグリエルの成績をキューバ出身のメジャーのスター達の母国での成績と比較している。
ユニエスキ・グリエル (2013年):打率.313/出塁率.425/長打率.566、54四球、31三振
2014年は49試合で打率.343。2015年は23試合ながら同.535で、160打席で1度しか三振していない。
ホゼ・アブレイユ(2012年):打率.345/出塁率.481/長打率.617、54四球、39三振
メジャー初年度の2014年にいきなり36本塁打の彼も、この年はやや不振だった。2010年には打率.453もマークした。
ヤシエル・プイグ(2010年):打率.330/出塁率.430/長打率.581、49四球、39三振
この年プイグはまだ19歳だった。
ヨエニス・セスペデス(2010年):打率.333/出塁率.424/長打率.667、49四球、40三振
記事では、この数字を見る限りユニエスキも十分メジャーでやれそうだとしている。
もっとも、今年6月には32歳になる年齢を考えると、3年以上の契約を手にするのは難しいとも見ている。