勝負の分かれ目はどこ? 桜井・重信・中川……巨人、大学・社会人組生き残りの共通点【死亡遊戯コラム】
選手層が厚い巨人において、首脳陣へのアピール機会は限られている。ルーキーにとってもそれは同じだ。
2016/02/14
新星誕生か!?
巨人宮崎キャンプ、観衆もまばらな室内練習場でその男はバットを振っていた。
右ふくらはぎの肉離れでリハビリ組スタートとなった橋本到である。
2014年に103試合に出場しレギュラーを掴みかけたと思ったら、昨年は同い年の立岡宗一郎の台頭により出番を失った。
そして迎えた今季、ドラフト2位で重信慎之介(早大)が加入。
俊足が武器の重信は巨人支配下登録の外野手では最も若い22歳。
12日の紅白戦ではさっそく白組「2番レフト」として先発すると3安打猛打賞と存在感をアビールしてみせた。
去年の今頃は若手の外野争いとして橋本と大田泰示の2人がマスコミを賑わせていたが、今キャンプは立岡と重信に注目が移りつつある。
わずか1年でその立場が激変してしまう若手選手たち。
ここ数シーズンの巨人の傾向を見ると、大学・社会人のルーキーは1年目に1軍で結果を残さない選手は2年目以降も苦戦している。
昨年は新人コンビの戸根千明・高木勇人の両投手が開幕から活躍。
14年小林誠司、13年菅野智之、12年高木京介、11年澤村拓一、10年長野久義と即戦力ルーキーが1年目から活躍し、翌年以降も1軍に定着した。
高卒選手とは異なり、「将来性」に加え「今の力」が判断基準になる彼ら大学・社会人組。
最も注目されるプロ1年目にある程度の実力を首脳陣にアピールできないと、再び這い上がるのは困難を極める。
次がある、と思っている選手に次はない。
彼らには今しかないのだ。
それぐらいの危機感を持っていないとこのチームで長くプレーすることはできない。