「ポスト谷繁」の懸案解消なるか? アマ球界随一の鉄砲肩・加藤匠馬に寄せる期待
今季4位に沈んだ中日ドラゴンズにあって懸案のひとつと言える捕手。そんな中日が今回のドラフト5位指名で獲得したのが青山学院大の加藤匠馬(たくま)。まさに「鉄砲肩」と評したくなる強肩が売りである彼の生い立ちや現状、プロに対する思いなどを聞いた。
2014/11/07
Yu Takagi
根っからの中日ファン
3歳の頃には、すでにグラブとバットを持って野球に熱中していたという加藤は、三重県松阪市の生まれ。足繁く松阪から隣県愛知のナゴヤドームへ通っていた中日ファンだという。
「僕を担当してくださった正津さん(英志/現中日スカウト)、川上憲伸さんら、ちょうど1999年の優勝メンバーに憧れ、いつかこの場所で自分も野球をしたいなと漠然と思っていました」と当時を懐かしそうに振り返る。
小学校2年で地元の軟式野球チームに入団すると、以後は野球漬けの日々。とにかく野球が楽しくてしょうがなく、「僕の育ったところは田舎だったので、チームの練習以外にも稲を刈った後の田んぼとかで、ずっと野球をしているような野生児でした」と本人は笑う。
そこで大好きだったのが遠投だった。
今やアマチュア球界ナンバーワンとも言える強肩はこうして自然と育まれた。
高校も「あのユニフォームを着て甲子園に行くことに憧れていた」という地元・松阪の三重高校に進学すると、2年夏に初めて甲子園に出場。2年時の秋季大会では盗塁阻止率10割を記録し、2度目の甲子園となった翌春のセンバツでは1回戦で3度も盗塁を刺すなど注目を浴び、名門・青山学院大への進学を決めたのだった。