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すべての数字で他球団の助っ投を圧倒! 日本シリーズに導いたメッセンジャー【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第16回目は、今季の外国人投手の活躍状況を数値で分析してみた。

2014/11/07

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圧倒的な数値をはじき出した阪神の助っ人投手陣

 セリーグも見ていこう。一軍の試合に登板した外国人投手一覧だ。

 SO/BBは奪三振数を四球数で割った数値で制球力を表す。FIPは、セイバーメトリクス系、奪三振、与四球、被本塁打から選出した投手本来の実力を示す数値だ。

 3以下ならば優秀な投手と判断できる。青字は規定投球回数未達、赤字はタイトル獲得した選手になる。

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 17人いる。巨人は7月にキューバからメンドーサを獲得したものの一軍登板はなし。中日には育成枠にメジャという外国人投手がいた。

 規定投球回数以上は2人、10勝以上はメッセンジャー1人、10セーブ以上は呉昇桓、マシソン、ミコライオ、バーネットの4人だ。投球回数が20回以下の投手が2人。

 パリーグ同様好成績を上げた投手は少なそうだ。
 マトリックスを見てみよう。

 スタミナを表す指標である投球回を横軸、投球の「質」を表すFIPを縦軸に置く。
 優秀な先発投手は右上に、救援投手は左上に上がってくるはずである。そのあたりを点線で囲った。

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 一目瞭然で、阪神は先発、救援でずば抜けた成績を上げた外国人投手がいる。
 先発のメッセンジャーと、クローザーの呉昇桓だ。

 打者のゴメス、マートンとともに投手二人もタイトルを獲得。今年の阪神は外国人選手で持っていたと言ってもよさそうだ。

 中でもメッセンジャーは、リーグで唯一200回以上を投げた。セパ通じても1位。しかもFIPは2.93。スタミナでも投球の質でも抜きんでた存在だったのだ。

 メッセンジャーは2013年も最多投球回。スタミナでは彼の右に出る投手はいない。
 昨年の阪神は、メッセンジャーに加えて今年のパリーグ外国人先発投手トップのスタンリッジもいたのだ。

 救援では巨人のマシソンは昨年、今年の呉昇桓と同じようなポジションにいたが、今年は大きく数値を落としてしまった。
 バーネット、ミコライオは万全の状態で投げればそれなりの仕事をしたものの、故障がちで投球回数が稼げなかった。チームの成績にもそれが影響した。

 制球難に苦しんだり、思わぬ故障に見舞われたり……毎年安定した成績を残すのがいかに難しいことか。
 来季はどのチームの新外国人投手が活躍するだろうか?

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