川端慎吾の成功で「最強2番」は球界のトレンドに。梶谷と鳥谷の2番構想は3番打者がカギ
昨年ヤクルトが優勝した要因の一つとして2番・川端、3番・山田、4番・畠山の打線が機能した点にある。今季はセリーグの複数の球団で2番に強打者を置く構想がある。
2016/02/17
内角球をヒットする最強の2番・川端慎吾。カットする技術も一級品
プロ野球の春季キャンプも中盤に入った。
例年、対外試合が組み込まれることが多く、開幕に向けた新オーダーを試す時期でもある。
ラミレス新監督が指揮を執るDeNAと、金本新監督が指揮を執る阪神は、長打力のある打者を2番に据える攻撃型のオーダーを理想として描いている。
昨季はヤクルトの川端慎吾が2番に座り、3番の山田、4番の畠山の前を打つ最強の2番打者として14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。打率も.336という成績を挙げて自身初の首位打者に輝き、飛躍のシーズンとなった。
昨季の川端の犠打数はわずか2個。
バントを行わずにクリーンアップにつなげ、得点機では走者を還す役割を担う。8月27日の巨人戦では、川端の真骨頂というべきシーンがみられた。両チーム無得点で迎えた8回、2死二、三塁の場面でマシソンが投じた内角への154キロの速球を、腕をたたんだ状態でバットに当てた。詰まりながらも左前へ落とす決勝適時打となった。
並の打者なら対応できない内角の難しい球でも逆方向へ打ち返すことができる川端。さらに、カットする能力も一級品だ。追い込まれてもファウルで粘れる技術を持ち、2ストライク後の打率はリーグトップの.270。相手投手にとっては厄介な2番打者といえる。
内角球をカットする技術は、現在メジャーリーグで活躍する青木宣親を手本にし、練習を重ねた。その青木はヤクルト時代の05年と10年にシーズン200安打を達成している。昨季の川端の安打数は195本で、リーグトップの安打数を生み出した。今季は、史上6人しか達成していないシーズン200安打の期待がかかる。