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吉川、田中、柳田と3人のMVPを輩出。今年も日米で注目を集める「昭和最後の88年世代」【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は「88年世代」だ。

2016/02/20

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柳田も同世代に

 次に、大学・社会人組を見ていこう。大学・社会人組は、大学から社会人や独立リーグを経てプロに入団した選手と、大学を中退してプロに入団した選手をひとくくりにしている。ご了承いただきたい。
 
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 プロ実働年数が短いから当然の話だが、高校組の選手に比べて実績は少ない。しかしその分、戦力外になった選手も少ない。53人中11人が退団したが、42人が現役。まだトライアルの最中なのだ。
 
 昨年、パ・リーグで激しい首位打者争いをした秋山翔吾、柳田悠岐もこの世代にあたる。柳田は昨年、吉川光夫と田中将大に次いで、この世代3人目のMVPを獲得した。
 
 早稲田大学から斎藤佑樹、大石達也と二人の投手がドラフト1位でプロ入りしたが日本ハムの斎藤は通算14勝19敗、西武の大石は1勝6敗8セーブと結果を残せていない。
 
 同世代の最多勝は田中将大の99勝、続いて同じく前田健太の97勝。二人はMLBにわたった。大学・社会人組では巨人・澤村拓一の38勝、続いて中日・大野雄大の35勝となる。
 ロッテのエース格になりつつある石川歩、西武のクローザー高橋朋己なども同世代。
 
 この世代は、早生まれは平成生まれ(1月7日までは昭和64年)だが、それ以外は昭和最後の世代になる。時代の変わり目に生を受けた選手たちだと言えよう。
 
 もはやこの世代を「ハンカチ世代」「○○世代」と呼ぶのは、実態にそぐわなくなっている。
 柳田悠岐、秋山翔吾、田中将大、前田健太、彼らを総称するのは難しい。
 
 現時点では「昭和最後の88年世代」というところか。しかし、今年もこの世代が日米のプロ野球の注目を集めることは間違いないだろう。

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