DeNAラミレス監督も信頼。投手陣再建へ、4年ぶりに一軍投手コーチ復帰「キヅさん」の思い
昨年首位ターンから最下位に転落したベイスターズ。原因の一つに投手陣の柱が不在だったことがあげられる。今年、4年ぶりに一軍に復帰した木塚敦志一軍投手コーチはどういうビジョンを描いているのか。
2016/02/23
一軍コーチは4年ぶり
「よ~し、いいボールだ!!」
横浜DeNAベイスターズがキャンプを置く宜野湾市立球場のブルペンに懐かしい声が響き渡る。そこにはバッターボックスに立ち、ピッチャーたちの球筋をじっくりと見究める木塚敦志一軍投手コーチの姿があった。
通称「キヅさん」。選手たちからは親しみを込め、そう呼ばれている。
現役時代、木塚コーチは、1999年のドラフト2位で横浜ベイスターズ(当時)に入団。1年目から2010年の引退まで、すべての登板機会が救援という苦しい時代のベイスターズを縁の下で支えてきた功労者だ。
サイドスローから繰り出される150キロの直球とキレのある変化球。そしてマウンドに穴を掘るルーティン。練習の虫であり、気合いと気迫を前面に押し出した投球は、観る者までも熱くさせ多くのファンの支持を得ていた。2001年には最優秀中継ぎ投手を受賞している。
引退した翌年の2011年から2年間はベイスターズの一軍投手コーチを務め、2013年からの2年間は二軍投手コーチとして若手育成に尽力した。そして昨年、入団してから初めてユニホームを脱ぎ、スカウトとして全国を飛び回った。
2年ぶりの現場への復帰。一軍のコーチは4年ぶりとなる。キヅさんの帰還に投手たちは誰もが「すごく心強い」と口をそろえる。
投手たちのその言葉を木塚コーチに伝えると「そういった立場になれればうれしいですよね」と笑顔を見せた。
「秋のキャンプからチームを見させてもらっているんですけど、今は情報を仕入れ、どんな知恵を授けようかと手探りの段階です。二軍のときに見ていた選手たちも一軍に定着しつつある。それぞれが自分で考え工夫し、成長が窺えるので、そういった部分を尊重できればいいですね」