DeNAラミレス監督も信頼。投手陣再建へ、4年ぶりに一軍投手コーチ復帰「キヅさん」の思い
昨年首位ターンから最下位に転落したベイスターズ。原因の一つに投手陣の柱が不在だったことがあげられる。今年、4年ぶりに一軍に復帰した木塚敦志一軍投手コーチはどういうビジョンを描いているのか。
2016/02/23
即戦力ルーキー2人への特別な思い
今永昇太、熊原健人というドラフト上位の若手二人に木塚コーチは特別な思いをもっているという。
「彼らは、何もわからなかったスカウトの僕に喜びを感じさせてくれたピッチャーだったんですよ。僕と同じような思いをファンにもってもらいたいし、だからこそこの世界で成功してもらいたい。二人とも真面目で野球に対する考えも深く、自分がエースになってやるって気持ちも強い。自分がルーキーのときはどうだったかなって思うと、ついていくのだけで精一杯だった」
でもルーキー時代の木塚コーチもブイブイでしたよ、と返してみると、苦笑しつつすぐさまかぶりを振った。
「いやいや。僕はチームに成長させてもらっただけ。彼らは自分たちで引っ張っていこうという気持ちがある。僕としてはそこを援護射撃できればなって」
2013年のシーズン、現役だったラミレス監督がファームへ落ちたときのことだ。当時二軍にいた木塚コーチの熱を帯びた、かつ的確な指導方法を見て痛く感銘を受けたという。いつか自分が監督をやる日が来たら、ぜひ一緒にやりたいと密かに考えを巡らせていた。
若い投手が多いDeNA。木塚コーチから見て、果たしてピッチャー陣の立て直しのポイントはどこになるのか。
「派手なプレーはいらないんですよ。プロ野球選手として当たり前にできるであろうことを少しずつ少しずつ成功率を上げていく。本当に小さなこと。牽制、バント処理、追い込んでからの決め球、マウンドに上がるまでの準備……僕はそこにこだわってファームでコーチをしてきたので、いくら勝とうが調子が良かろうが、些細なことを忘れない選手を育てることが大事だと思うんです。
馬力のある、花開きそうな選手はたくさんいます。僕としては何とか後押ししたいし、そして最高のパフォーマンスを横浜スタジアムできるようにしてもらいたい。やっぱりそれがファンの方々に対する最大の恩返しになりますからね」