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野手が圧倒的に活躍する阪神のFA移籍組~鳥谷の穴を中島獲得で埋められるか?

エース能見篤史の宣言残留、メジャー挑戦を視野に入れる鳥谷敬など、阪神所属の選手のFA権行使に関するニュースが、日々メディアを騒がせている。またMLBアスレチックスの中島裕之ら、獲得交渉に乗り出すと噂される選手の話題にも事欠かない。投手よりも野手が活躍してきた阪神のFA移籍の歴史を振り返る。

2014/11/09

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FAで入団した投手は期待に応えられない?

  1993年のオフにFAが導入されて以降、阪神には6名の野手が、この制度を利用して入団を果たしてきた。石嶺和彦、片岡篤史、金本知憲、新井貴浩ら、その時々のビッグネームや実力者が顔をそろえる。

 FA導入初年度に阪神入りした石嶺は、前所属のオリックスで5年連続全試合出場を果たし、1990年には打点王を獲得。移籍初年度の1994年には主に5番を任され全試合出場。チーム最多となる77打点を叩き出した。

 2002年に日本ハムから入団した片岡は、移籍1年目こそ期待に応えられなかったものの、翌年は規定打席未到達ながら3割近い打率をマーク(.296)。持ち前の勝負強いバッティングで、チームの18年ぶりの優勝に貢献した。

 広島から移籍を果たした金本は、あえて振り返るまでもないほど、阪神の顔として活躍。1492試合の連続フルイニング出場を果たし、多くのチャンスの場面で阪神ファンの期待に応えた。日本一を達成した2005年には年間MVPに輝いている。

 今季限りでの退団を決意した新井は金本と同じく、広島からの移籍組。好不調の波こそ大きかったものの、多くのゲームでクリーンアップを担い、3シーズンで全試合出場を達成。2010年には打率.311、19本塁打、112打点という数字を残し、その翌年には打点王を獲得した。

 メジャーへと移籍した城島健司の穴を埋めるために、2011年に楽天からFAで移籍した藤井彰人。2013年にオリックスから入団し、先ごろ引退を表明した日高剛など、捕手も存在感を示す選手が多い。

 一方、FAで阪神入りした投手は、野手と比較して期待に応えたとは言い切れない。

 最多勝の実績をひっさげて95年に阪神入りした山沖之彦は、一度も一軍登板がないまま引退。同じくオリックスから2000年に移籍した11年連続2ケタ勝利の星野伸之も、阪神入団後は3年間で8勝に終わっている。2011年にロッテから入団した小林宏之は、その前年に29セーブをあげていたものの、わずか2年で戦力外通告を受けた。

 条件や環境などに違いがあるため、野手との比較は安易にはできない。しかし、こうした実績ある投手が、阪神では以前の輝きを放てないまま、引退や退団に追い込まれているのも事実である。

 このシーズンオフも、ロッテの成瀬善久や日本ハムの宮西尚生らをFAで獲得しようと試みたが、いずれもうまくいっていない。阪神のFAによる投手獲得は、未だに負のスパイラルが続いているようだ。

 このようにFAに関しては、投手よりも野手に活躍した選手が断然多い阪神。中島獲得の成否や、投手陣の新たな補強や整備など、今年の阪神のFA戦線は成功するだろうか。

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