高橋監督は岡本抜擢も!? 金本監督は非情さを出せるか? 興味深いセリーグ新人監督の采配【小宮山悟の眼】
キャンプも終わり、いよいよオープン戦が始まる。セリーグは3名の新人監督がいるが、それぞれの監督が描く野球について考えてみたい。
2016/02/27
コミュニケーションを図るラミレス監督
なぜなら、金本監督は2年前まで、その阪神で現役選手だったから。当然、共にプレーしたチームメートは多数、在籍している。その環境で、いきなり監督然とした態度はなかなか取りづらいのではないか。
監督1年目の今季は、まわりのコーチ陣が、強めの態度で選手と接することで、チーム内に緊張感を作り、監督をフォローするしかないだろう。
DeNAラミレス監督は、予想以上に選手と上手にコミュニケーションを図っていたので、少し驚いた。今季の展望について話を聞いたが、とにかく投手陣の柱として、山口俊に期待しているそうだ。
ラミレス監督は現役時代に何度も山口と対戦して、彼のポテンシャルの高さを知っている。あれだけの大打者が認めるのだから、実際に山口にはかなりの能力がある。それなのに、期待ほどの成績を残せていない現状を歯がゆく思っているのだろう。
監督は「彼にはすべてを任せる」とも言っていた。たとえば、四球を出した後、ベンチをちらちら見ながら次打者に対峙するような投球ではなく、堂々と目の前の打者に集中する投球をできるように、本人にもハッキリと伝えたそうだ。
ただ一点、「とにかく山口には勝ち星を上げてほしい」と言っていたことは、少し気にかかった。ベイスターズ投手陣は、昨年まで、イニング数を目安に仕事を評価されてきた。それが、どれだけ勝てたかが重要になってくるのだから、大きな違いだ。シーズンが進む中で、そのギャップが表面化する恐れがある。そうならないためにも、投手側とベンチの意識のすり合わせをしっかりとしておいてほしいものだ。