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一軍での成功を保障するものではない「二軍のタイトル」【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、二軍のタイトルホルダーの翌年の一軍成績を調べてみた。

2016/02/27

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二軍でタイトルを獲得した吉川は翌年MVPに

 投手成績はどうだろうか?
 
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 2011年、イースタンリーグで最多勝、最優秀防御率のタイトルに輝いた日本ハムの吉川光夫は、翌年MLBに移籍したダルビッシュ有の穴を埋めてエースとして活躍。防御率1位に輝き、MVPを受賞している。数は少ないが、こういう例もあるのだ。
 
 一方でこの年の両リーグのセーブ王である金剛と林は翌年、一軍出場はなかった。
 2012年イースタンリーグの最優秀防御率の巨人・岸敬祐も結局、一軍のマウンドに上がることなくキャリアを終えた。
 
 2013年ウエスタンリーグの最優秀防御率、阪神の白仁田寛和は、翌年一軍出場なし。しかし2014年オフにトレードでオリックスに移籍してからはセットアッパーとして活躍している。
 一方でイースタンリーグの最多セーブ、ヤクルトの松井光介はこの年に戦力外通告を受けている。
 
 2014年のウエスタンリーグの最多セーブ、広島・フィリップスは翌年、救援投手として期待されたが、新外国人選手を補強したために外国人枠からはみ出して退団した。
 
 打撃、投球ともにソフトバンクの選手が多い。現在は三軍制を敷き、選手層が厚く実力のある若手がひしめいている。この競争から抜け出すのは容易ではないことがわかる。
 
 二軍で表彰される以上に、一日も早く一軍に上がりプロ野球選手としての一歩を踏み出してもらいたいものだ。

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