これぞ“ケガの功名”? プロ野球、故障を乗り越え躍進した歴代選手5人。離脱が飛躍のきっかけに
2023/04/17
産経新聞社
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プロ野球の世界では、故障がキャリアに大きな影響をもたらすことが多くある。大けがによって野球人生を終える選手も少なくない中、離脱を機に飛躍する選手もいる。今季は栗原陵矢(ソフトバンク)が左膝前十字靭帯断裂から戦列復帰し、主軸打者として見事な復活劇を見せている。今回は、故障から復活して躍進した選手を5人紹介したい。
門田博光
・投打:左投左打
・身長/体重:170㎝/81㎏
・生年月日:1948年2月26日
・経歴:天理高 – クラレ岡山
・ドラフト:1969年ドラフト2位
NPB歴代3位の通算567本塁打を放った門田博光。アキレス腱断裂の大けがから、長距離打者へ変貌を遂げた。
門田は、プロ2年目にレギュラーへ定着。打率.300、31本塁打、120打点の好成績を残して打点王を獲得した。同年以降は30発以上を記録するシーズンこそなかったが、3年連続を含む5度の打率3割、8年連続2桁本塁打を放つなど、中距離打者として活躍を続けた。
ところが、1979年の春季キャンプで右アキレス腱断裂の大ケガに見舞われた。懸命なリハビリを経て、同年のシーズン終盤に復帰すると、足の負担を減らすために、本塁打狙いの打撃スタイルに変更。
すると、翌1980年は自身初の40本塁打をクリアし、カムバック賞を受賞。1981年には、本塁打王(44本)を獲得した。
その後もアーチを量産し、40歳を迎えた1988年には打率.311、44本塁打、125打点、出塁率.429と傑出した数字をマーク。打撃三冠(本塁打、打点、出塁率)と、史上最年長での最優秀選手(MVP)に輝いた。
晩年の目覚ましい活躍から、「不惑の大砲」と呼ばれ、球史に名を刻む打者となった。