シュートを操るヤクルトドラ1の原樹理。過去「巨人キラー」で名を馳せた川崎、平松、西本も武器に
ヤクルトのドラフト1位の原樹理はシュートの使い手だ。過去、シュートを武器に球界で活躍した大投手たちの後に続くことができるか。
2016/03/01
浮き上がる高速シュート
プロ野球はいよいよオープン戦が本格化。シーズンへ向けて最終調整を行っていく中で、キャンプ中に磨き上げた力と技を実戦で生かす場でもある。投手でいえば、自分の投球スタイルを本番までに仕上げていかなければならない。
ヤクルトのドラフト1位ルーキー・原樹理は、シュートを武器とする投手だ。
東洋大時代は主将に就任した4年春に東都2部で11試合中10試合に登板。チームの全勝ち星である8勝を挙げ、防御率0.69と格の違いをみせている。
投球した利き腕と同じ方向に曲がるシュートは、右打者の内角に投じた場合、コントロールミスをすれば死球にもつながる球だ。
原樹理のシュートは浮き上がるような軌道を描くのが特徴だ。シュート以外にもスライダーやカットボール、フォークと多彩な変化球を駆使し、外角低めへの制球力もある。原樹理が自信を持ってシュートを投げ込めるのも、この制球力があってこそだ。
2月21日の阪神とのオープン戦(浦添)では2回3安打無失点と好投。開幕ローテ入りが期待される即戦力右腕が、実戦デビューとなった試合で、ピンチでも動じない強きの姿勢を貫いた。
初回、一死一、三塁の場面では得意のシュートが冴えわたった。
4番の陽川を143キロ、続くペレスも138キロと、この日の最速は145キロであったが、ストレートの速さと変わらないほどの“高速シュート”で見逃し三振に封じた。
2回には梅野のバットを137キロのシュートでへし折り、三ゴロに仕留める。
この日は8人の打者と対戦して32球を投じ、無四球でマウンドを下りた。
今キャンプではチームの先輩・小川泰弘にチェンジアップの握りを教わり、向上心も持ち合わせる。原樹理は、その小川が13年に受賞して以来の新人王の期待も抱かせる。
ヤクルトの先発陣は小川、石川、館山、デイビーズの4人が確定。原樹理は残りの枠を、復活が望まれる成瀬、杉浦、新垣といった面々と争うことになる。今後オープン戦でしっかりと結果を残せば、開幕ローテに割って入ることが可能だ。