シュートを操るヤクルトドラ1の原樹理。過去「巨人キラー」で名を馳せた川崎、平松、西本も武器に
ヤクルトのドラフト1位の原樹理はシュートの使い手だ。過去、シュートを武器に球界で活躍した大投手たちの後に続くことができるか。
2016/03/01
無名の投手から日本シリーズMVPとなった西本
巨人にもシュートの使い手がいる。
74年にドラフト外で巨人に入団した西本聖だ。入団当時は無名だった雑草男の西本。だが、3年目の77年に8勝を挙げると、80年~85年まで6年連続で二桁勝利をマーク。81年には18勝を挙げ、沢村賞を獲得。長嶋監督も絶賛したとされる切れ味鋭いシュートで、ライバル関係だった江川卓と巨人の一時代を築いた。
西本の武器であったシュートは、大舞台でも発揮された。81年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦。勝てば日本一に王手がかかる重要な一戦で、伝家の宝刀が冴え渡った。13安打を浴び走者を出しながらも、粘り強くシュートで内野ゴロに仕留めていく。この日、日本シリーズタイ記録となる4つの併殺打を打たせ、完封勝利を飾った。
巨人は第6戦に勝利し、73年のV9以来の日本一を達成。この年のシリーズで2勝を挙げ、チームをけん引した西本はシリーズMVPを獲得した。
西本はその後、中日やオリックスへ移籍。94年に巨人へ復帰するが、同年に現役引退。通算504試合に登板し、165勝128敗17セーブ、防御率3.20の成績を挙げた。
過去にシュートを武器とした投手の共通点として、相手打者に怯むことなく勝負していくハートの強さがあった。
原樹理も、過去のシュートの使い手同様に、この魔球を操り球界を代表する投手となれるか――。