ホークス一筋・松中信彦が現役引退。21世紀最初の三冠王、野球殿堂の可能性は高い?
昨季、自己ワーストタイの9試合の出場にとどまり、ホークスを退団した松中信彦。2015年オフには例年通りグアムでの自主トレを行い、その後12球団へ入団テストを直訴するもオファーがなく期日を迎え、現役引退を決意した。
2016/03/02
過去に三冠王を獲った日本人選手はすでに野球殿堂入り
松中信彦が1日、引退を表明した。19年間に及ぶプロ野球人生に幕を下ろす。
昨年、福岡ソフトバンクホークスを退団し、NPBの各球団に入団テストを直訴するも、これに応じる球団はなかった。自ら2月末を期日としていたため、今回の引退表明となった。
松中は、これまでの実績からしても21世紀の強打者の一人にあげられる。現役選手では唯一、三冠王を獲得している。
しかし社会人を経てのプロ入りだったため、同年齢のイチローよりもプロ入りが5年遅くキャリアが短かった。また近年は故障や打撃不振もあり、通算安打数は1767安打に終わった。
2000本安打は名球会入りの資格であるとともに、野球殿堂入りでも考慮される。実際、2000本未満の選手の殿堂入りは極めて少ない。
通算安打数が1700から1800の選手の状況だ。順位は通算安打数。その中で殿堂入りした選手は以下の通りだ。
69位 1792安打 タフィ・ローズ プレイヤーズ表彰候補
70位 1767安打 松中信彦
71位 1766安打 鳥谷 敬 ※現役
72位 1753安打 高橋由伸
73位 1745安打 葛城隆雄
74位 1739安打 和田 豊
75位 1738安打 伊東 勤 プレイヤーズ表彰候補
76位 1736安打 近藤和彦
76位 1736安打 広沢克実
78位 1734安打 基 満男
79位 1727安打 内川聖一 ※現役
80位 1717安打 西沢道夫 ●1977年野球殿堂入り
80位 1717安打 小鶴 誠 ●1980年野球殿堂入り
82位 1716安打 高木 豊
殿堂入りしているのは1940年代~50年代に活躍した西沢、小鶴だけ。以後の選手はこの安打数では厳しいことがわかる。
しかしながら松中は打撃三冠王を獲得している。NPB約80年の歴史で、松中を除くと過去6人のべ10回記録しただけの大記録だ。
中島治康(巨人) 1938年秋 ●1963年野球殿堂入り
野村克也(南海) 1965年 ●1989年野球殿堂入り
王 貞治(巨人) 1973年、1974年 ●1994年野球殿堂入り
落合博満(ロッテ) 1982年、1985年、1986年 ●2011年野球殿堂入り
ブーマー(阪急) 1984年
バース(阪神) 1985年、1986年
松中信彦(ダイエー)2004年
ブーマー、バースの外国人と松中を除く三冠王を記録した選手は、すべて殿堂入りしている。