キャンプで最も心に残った、阪神・藤川球児の”ずば抜けたボール”【小宮山悟の眼】
藤川球児は、今季『先発投手』として開幕を迎えるそうだ。キャンプでは素晴らしいボールを投げていた。
2016/03/07
先発へのスタイルチェンジ
2月も終わり、すべての球団がキャンプを打ち上げた。これから本格的にオープン戦が行われ、3月25日の開幕戦に向けて、各チームともメンバーの選考をしながら準備を進めていく。
さて、今回は、2月のキャンプ視察で印象に残った選手の話を取り上げたい。
2月前半にアリゾナでキャンプを行った日本ハム以外の11球団のキャンプを訪れたが、個人的に最も心に残ったシーンは、阪神・藤川球児のブルペン投球だった。
単純だが、「良い球を投げているな」というのが率直な感想だ。本当に素晴らしい投球だった。
藤川は、2月27日の韓国サムスン戦で、阪神に復帰後の実戦初登板を果たした。6日の巨人とのオープン戦では4回1失点。今後も登板を重ねて、そこでの内容がシーズンでの活躍を占う重要な評価基準になることは確かだ。ただ、キャンプのブルペン投球からだけ判断すれば、「今季は相当やるだろう」と予感させるほど、ずば抜けたボールを投げていた。
チームの方針として、今季は先発として起用されるようだが、当然、リリーフ専門だった藤川には先発投手へのスタイルチェンジが求められる。
簡単にいえば、先発の仕事とは、いかに多くアウトを奪うか。これまでは1試合3個でよかったが、これからは15個以上のアウトを取らなければならない。そのために常に全力投球ではなく、ある程度加減しながら投げるテクニックが必要になってくる。さらに、登板して休んで、登板して休んで、という先発ローテーションのリズムにも慣れなければならないだろう。