クセの矯正と向き合うオコエ瑠偉。「人は失敗から学ぶ」ベテラン助っ人が授けたメッセージ
非凡なセンスを発揮する楽天期待のルーキー、オコエ瑠偉。果たして、開幕一軍の可能性はあるのか。
2016/03/06
阿佐智
直さなければいけないクセ
現在のところ、守備走塁に関しては、おおむね及第点をもらっている。この日も、途中から出場したセンターの守備では、フェンス際の大飛球に背走しながら追いつき好捕していた。
試合後、梨田監督は「もう少し早く落下点に入れるだろう」とスタンドから拍手がおこったこのプレーに対しても辛口の批評を行ったが、これは期待の裏返しでもある。
しかし、打撃面では、1アウト3塁のチャンスで浅いライトフライに倒れるなど、たびたび指摘されている、バットが遠回りするクセがまだ矯正されていないことをうかがわせた。これも、彼の言う「直さなければならないクセ」だろう。
実際、試合前に、自分が課題とするクセとはどんなところかという問いには、苦笑しながら、「いっぱいありすぎて言えません」と言葉を残し、ウォームアップに向かった。
3月の声を聞き、オープン戦も本格化すると、主力級が仕上げにかかってくる。
キャンプや練習試合で話題を振りまいたルーキーや若手選手は、ここから本当のプロの壁を知ることになる。
素材としてのオコエを否定するものは誰もいない。一軍帯同を明言する梨田監督に対し、ファームでみっちり基礎を培うべきだという声もちらほら上がり始めている。そういう話題が出るだけ、オコエという選手には魅力があるのだろう。
この素材が今後どんな花を咲かせるのか、野球ファンにとって最大の楽しみではないだろうか。