プロで生き残るための武器がない斎藤佑樹。見習うべき姿は飯山にあり【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#24】
札幌ドームで行われた巨人戦、良くも悪くも斎藤はやはり世間の注目を集める。
2016/03/05
必死に生き残る姿を
プロ19年目、野手最年長(36歳)の飯山裕志の姿を斎藤に見てもらいたい。飯山は僕の考える「プロ」そのものだ。圧倒的な身体能力はない。僕は入団時、鎌ヶ谷で「足が速いって触れ込みで獲ってみたら遅かった」とコーチ陣が頭を抱えていたのを覚えている。武器のない選手だった。唯一、ズバ抜けていたのは根性だ。
飯山はまず守備をコツコツ磨いていく。それから右打ちを身につける。足は速くないが、懸命に走る。生き残ろうとした。石にかじりついても生き残ろうとした。
それで19年目だ。日本シリーズでヒーローにもなった。で、今、どうしてるかというと依然として必死に生き残ろうとしている。チームでいちばん最初にグラウンドに出てきて最後まで残っている。1本でも多くノックを受けようとする。去年はそれを1シーズンやり抜いた。
斎藤も何か自分で決めて1シーズン貫いてみるといい。たぶん風景が変わると思うのだ。「甲子園のスター」が泥にまみれて生き抜こうとする姿は、きっと誰かの胸を打つ。見る人は見てる。そして、その経験は一生の財産になる。がんばれ斎藤佑樹。今は笑いたい奴には笑わせておけばいい。ここからのがんばりが値打ちを決めるんだよ。
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