【データで選出3・4月月間MVP】DeNA・宮﨑、オリックス・森がトップ。佐々木朗希は弱点なし。パはルーキー金村や20歳の山下など若手が席巻
2023/05/10
産経新聞社、DELTA
弱点がない佐々木の投球。その佐々木に匹敵する山下の奪三振力
投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
投手部門でパ・リーグは佐々木朗希(ロッテ)、セ・リーグでは小川泰弘(ヤクルト)がそれぞれ1.62、1.37とトップのWARを記録した。
佐々木は全ての項目で優れた成績を記録し、総合力の高さを見せつけた。平均が約20%となるK%(奪三振/打者)は38.8%と平均の倍近くを記録。加えてBB%(与四球/打者)も平均の8%の半数ほどである4.1%に抑えている。
またパ・リーグでは、上位に各球団のエースクラスがランクインする中、4・5位には今季プロ初登板を果たした若手投手が入った。ルーキーの金村尚真(日本ハム)と弱冠20歳の山下舜平大(オリックス)だ。中でも山下は、K%で佐々木の38.8%に匹敵する37.3%を記録。登板数が少ないためWARでは劣るが、エース・山本由伸(オリックス)と遜色ない投球を見せている。オリックスの強力投手陣にまた新たなピースが誕生した。
セ・リーグトップの小川は突出した成績はないが、リーグトップの30イニングを消化。「質」と「量」を掛け合わした総合力でトップとなった。
ほかには村上頌樹(阪神)と東克樹(DeNA)が優れた四球抑止力を発揮している。村上は25イニング打者81人に対し、四球はわずかに1つ。東に至っては28イニング打者96人に対し、1つも四球を出さない投球を披露した。
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2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。
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