FA移籍2年目のヤクルト成瀬善久、大引啓次――リーグ連覇へ、求められる2人の“進化形”
ヤクルトがセリーグ連覇を目指すうえで、昨年FAで移籍してきた2人の選手が2年目の今季、本来の実力を発揮できるかはポイントの一つになる。
2016/03/12
昨季、自己最低の守備率と出塁率に終わった大引。今季は真のレギュラーを目指す
成瀬と同じFAでヤクルトに加入した大引啓次も、移籍1年目の昨季は悔しいシーズンとなってしまった。堅実な守備に定評があるが、チームで一番多い12失策を記録。遊撃手での守備率も自己最低の.9691の成績に終わり、自らの失策によってピンチを招く場面もあった。
打撃面に目を向けると、96試合に出場して打率.225、5本塁打、41打点と物足りない数字に終わっている。春先から打率は1割台に低迷。出塁率も自己最低の.287に終わった。
しかし、オリックスバファローズ時代の07年にはルーキーで126試合に出場し、打率.274という好成績を残した。トレードで北海道日本ハムファイターズへ移籍した13年には出塁率.359、翌年の14年には21盗塁を達成。数字は共にキャリアハイの成績だ。
キャプテンシーもあり、プレー以外の部分での貢献度は大きい。ヤクルトに移籍後もピンチで積極的に投手に声掛けをする場面も多かった。派手さはないが、チームのために黒子に徹する姿勢は、若手の多いヤクルトにとって精神面で大きなプラスになったといっていい。
ヤクルトの遊撃手には、右投手に.343と強い今浪隆博、勝負強い打撃が持ち味の森岡良介がいる。その他、大引の法政大学の後輩にあたる3年目の西浦直亨は、5日の中日ドラゴンズとのオープン戦(ナゴヤドーム)で本塁打を含む4安打3打点と強烈なインパクトを残した。4年目の谷内亮太に関しても必死のアピールを続けている。
若手も参戦しての正遊撃手の争いを制し、今季は真のレギュラー獲得を目指す大引。攻守に精彩を欠いた15年を糧に、背番号2はレベルアップを図る。