「MLB球団からも警戒されるように…」ソフトバンク中南米スカウトが語る独自スカウティング。“金の卵”を発掘できる理由とは?
2023/05/29
産経新聞社
「亡命というリスクはありますが…」
今年も引き続き逸材の発掘に中南米を飛び回るつもりです。2月にはカリビアンシリーズ視察のためベネズエラに行ってきました。政情不安、治安の悪化もあり、MLBも手を引いている状況で、私自身もスカウトになって初めて訪れました。私にとって未開の地でもあるので、ここでの活動に興味はありますが、事前にしっかりとリサーチを行ったうえで判断したいと思っています。そして、キューバに関しては国内リーグの視察はもちろん行いますが、U-15、U-18世代のチェックを中心に行うつもりです。
とにかく亡命というリスクはありますが、この国はMLBのスカウトの目が届かないという意味で競争は少ないので、日本球界が優秀な選手を獲得できるチャンスがあると思います。第2のモイネロになれそうなポテンシャルを秘めた選手はいると思っているので、アタックしないのはもったいないです。ただ、私自身も以前より慎重になっているのもまた事実で、家族周りの身辺調査にも気を配らないといけないと思っています。
私自身が獲得交渉を担当したグラシアル、デスパイネといった長年チームを支えてくれた選手が退団し、寂しさはありますが、その分新しい若い力の活躍を楽しみにしたいです。私としても完成された選手を獲得するよりも、金の卵を探し当てる活動の方がやりがいを感じますので、今年もまたドキドキさせてくれる逸材に出会えることを楽しみに活動していきたいと思っています。」
【了】