記憶に留めたい大ファール。新天地で働きどころを得た福田光輝【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#201】
西村天裕とのトレードでチームに加入した福田光輝。激しい二遊間の一軍枠争いだが、懸命なアピールを続けており、新天地で活躍のチャンスを掴みかけている。
2023/06/11
産経新聞社
大競争時代の二遊間、生き残りを
正直、3月初旬、トレードが決まったときは「なぜ福田?」と思ったものだ。ファイターズは中継ぎ、抑えが不安視されていた。その一方で上川畑大悟、石井一成、加藤豪将、アルカンタラ、中島卓也、谷内亮太、水野達稀、奈良間大己と内野手(特に二遊間)の人材は豊富だ。福田を獲っても使うとこないんじゃないかなぁと思っていた。そうしたら主力の不振、ケガ人のせいでBC茨城からハンソンまで補強するような事態になった。内野はレギュラー級、半レギュラー級がひしめく大競争時代だ。そのなかで「シャイニング」、福田光輝は存在感を放っている。
僕は自分の目が節穴だなぁと思っているのだ。鎌スタのロッテ戦で福田光輝は何度も目にしているはずだ。が、ぜんぜん印象がなかった。大阪桐蔭、法政大で主将を務めた選手と情報は知っていた。試合で出ていたのも覚えている。なのに印象がほとんどない。こう、平均的な選手という以上のものがない。知り合いのロッテファンに尋ねた。
「内野どんぐりーず(右投げ左打ち内野陣)のひとりでした。佐々木朗希からホームランを打ったこともあり、パンチ力も期待してたんですけど…。ドヤンキーだったわりんはなぜかおとなしいよね、ロッテの水が合わないのかな?、とか仲間内で話題になっていました」
「入ってきたときの眉毛の細さとか、大学を出てるはずなのに高卒のヤンキーかと思いました。あんまり薄い話でスミマセン」
確かに薄いなぁ。ていうかヤンキー話しか言ってない。つまり、ロッテではファンに強い印象が残せず、新天地で働きどころを得たということだろう。直近の阪神戦(1回戦)では奈良間が2軍からコールアップされ、スタメン起用されている。もしかすると福田の「お試し期間」は終わり、これからきびしい生存競争の時期になるかもしれない。何と言っても加藤豪将の戦列復帰が大きい。打撃好調で今、豪将をハズす手はない。
というわけで福田は「控えの駒」というところに落ち着きそうだ。大事なのは「控えの駒」でも仕事をすることだ。代走でも守備固めでも、しっかりやってればまたチャンスは来る。もしかすると2軍に落とされるかもしれないが、それなら2軍で準備することだ。
福田光輝は1軍で仕事のできるプレーヤーだ。芽が出かかっている。使っていけば文字通り「シャイニング」、光り輝く素材だ。いっしょうけんめい続けてほしい。ファイターズで運をつかんでほしい。