【データで選出5月月間MVP】阪神躍進の立役者・近本が総合力で圧倒。パ野手トップは日本ハムの新星・万波中正
2023/06/07
産経新聞社、DELTA
バウアーから2発の中日・細川が最高の攻撃力
評価にはWAR(Wins Above Replacement)を使う。WARとは打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価し、控えレベルの選手が同じだけ出場した場合に比べどれだけチームの勝利を積み上げたかを推測した指標だ。図中の打撃、走塁、守備のグラフは、それぞれどの分野で優れた働きを見せたかを表すWARの構成要素となっている。
まずは野手から見ていこう。パ・リーグでは万波中正(日本ハム)、セ・リーグでは近本光司(阪神)が、それぞれ1.27、1.98とトップのWARを記録した。
各分野で優秀だった選手を見ていく。打撃では、細川成也(中日)が12球団トップの貢献を記録している。リーグ平均レベルの打者に比べ12.6点チームの得点を増やしたという評価だ。打率/出塁率/長打率が.360/.396/.590という数字だけを見ても立派だが、打撃成績を残しにくいバンテリンドームを本拠地としていることで上向きの補正を受け、トップの攻撃力と評価されている。他の球場を本拠地としていたら、より打率や本塁打も伸びていただろうという推定だ。
パ・リーグでは万波がトップ評価を受けた。打率は.267と特別高いわけではなかったが、リーグ最多タイの7本塁打を記録。二塁打もあわせて、24本の安打のうち16本が長打と、バットに当たったときの出力は凄まじいものがあった。万波はリーグ平均レベルの打者に比べ、打撃で9.7点チームの得点を増やしたと推定できる。