ホークスにとって残留こそ最大の補強。川﨑から受け継がれた、「声」で存在感を発揮する松田宣浩
ホークスの松田宣浩の存在感が際立つ。昨オフ、メジャー移籍を目指すも断念したが、熱男の残留は何よりもチームにとって大きい。
2016/03/15
野球に対する姿勢でチームを牽引
しかし、これこそが松田の真骨頂。そもそも、松田の“声出し”は今に始まったことではない。昨秋のプレミア12でもベンチ前の円陣で松田が中心となって声がけするなど、そのキャラクターはすでに野球ファンにも浸透している。
他球団を見渡しても、ここまで「声」で存在感を発揮する選手は松田と北海道日本ハムファイターズの杉谷拳士ぐらいだろう。
今季、松田は選手会長の座を長谷川勇也に譲り、肩書上はチームメイトを「牽引」する立場ではなくなった。主将を務めるのも松田ではなく2年連続で内川だ。
それでも、松田はベンチで、グラウンドで大きな声を出し続け、チームを鼓舞する。
プレーはもちろん、野球に対する姿勢でチームメイトを引っ張っていける選手がいる球団は強くなる。
ソフトバンクでいえば、松田の前にその役目を担っていたのが2012年にメジャーに移籍した川﨑宗則だった。川崎の移籍後、そのポジションは松田に受け継がれ、チームは黄金時代を築いている。
昨オフ、松田はメジャー移籍を視野に入れ、FA宣言した。サンディエゴパドレスとの交渉なども報じられたが、最終的にはチームに残留。
ここ数年と比較すると、目立った補強がなかったソフトバンクだが、松田の残留こそが、3年連続日本一に向けての「最高の補強」といえるのかもしれない。