野球界を存亡の危機に追い込む「野球賭博」という黒い犯罪
巨人選手の野球賭博事件も、過去に起きた事件とプロセスが似ている。
2016/03/15
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過去にはMLBでも
野球賭博は違法なギャンブルで、NPB所属のチームに在籍している選手が行うなどもってのほかだ。フェアプレー精神からかけ離れる行為として厳しく禁じている。野球賭博は、八百長の温床だからだ。
球界全体の信用を揺るがしかねず、ファンの信頼を裏切る行為だ。
世界の野球界は、野球賭博が絡んだ八百長事件で、何度も存続の危機に立たされた。
1920年、MLBでは前年のシカゴホワイトソックスとシンシナティレッズのワールドシリーズをめぐって、疑惑が報じられた。そしてホワイトソックスの8選手が、野球賭博関係者から金銭を受け取って敗退行為(=八百長)を仕組んだとして、大審院に呼び出された。8人はここで八百長の存在を認めた。
MLBの権威は失墜した。オーナーたちはMLBの危機を乗り越えるために、地方裁判所判事のケネソー・マウンテン・ランディスを初代コミッショナーに迎え入れた。この事件は「汚れたホワイトソックス」から「ブラックソックス事件」と言われた。
折しもベーブ・ルースが新記録の54本塁打を打ち、大ブームが巻き起こったこともあり、MLBはピンチを脱した。ランディス・コミッショナーは、今もMLBの通算打率歴代3位(.3558)に名を連ねているジョー・ジャクソンら8人の選手を永久追放とした。
他にも事件に関与した疑いのある選手がいたものの、救済されている選手もいたため、アンラッキーエイトと呼ばれ、不公平さがのちに悲劇のヒーローとなり、映画などになっている。