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松本剛、12年目でオールスター初出場へ。2011年ドラフト組の上沢、近藤も揃う嬉しさ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#203】

2011年、当時ファイターズにドラフト指名を受けて入団した高卒3選手が今年のオールスターに出場する。特に松本剛は昨年も選出されたが、直前の骨折で出場できなかっただけに喜びもひとしおだろう。

2023/07/08

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産経新聞社



ドラ1不在の2011年ドラフト、実は大豊作

 7月初旬、ロッテ小沼健太-巨人石川慎吾の電撃トレードが成立し、驚かされたのだ。ハムファンからすると「ダイナマイト慎吾」のパ・リーグ帰還ということになる。さっそくロッテファンの知人にそれを伝えたら、既にロッテには「ダイナマイト山本」(山本大斗。吉井理人監督が命名)がいるという話になった。どうやら鴎軍はダイナマイトを集めて(優勝への?)トンネルを開通させるつもりらしい。
 
 自然、2011年ドラフト組を思い出すことになる。東日本大震災で悲しみが列島を覆ったあの年、NPBは節電ナイターを開催したり、西武のように主催試合を滋賀県の皇子山球場へ振り替えたりと、苦心惨憺(さんたん)のリーグ戦運営だったが、10月には予定通りグランドプリンスホテル新高輪でドラフト会議を実施した。この2011年ドラフトがファイターズ史上、語り草なのである。
 
 ファイターズらしいサプライズで物議をかもした年でもあったし、また稀に見る大当たりの年でもあった。まず、何はともあれ1位からの指名選手をご覧いただきたい。
 
1位、菅野智之(東海大)
2位、松本剛(帝京高)
3位、石川慎吾(東大阪大柏原高)
4位、近藤健介(横浜高)
5位、森内壽春(JR東日本東北)
6位、上沢直之(専大松戸高)
7位、大嶋匠(早大ソフトボール部)
 
 何と巨人、原辰徳監督の甥っ子を強行指名だ。会場が騒然となった。これはご存知のように入団拒否に終わるが、この年の菅野指名と翌2012年の大谷翔平指名(アメリカ挑戦を表明していた)は「日ハム、何やってくるかわからない」の世評を決定づけた。サプライズという点では7位大嶋の「早大ソフトボール部」も同様だった。僕らファンは「こんなことして大丈夫なのかなぁ」とハラハラしながらスカイAのドラフト中継に見入っていた。
 
 だからファイターズの2011年ドラフトは「ドラ1不在」なのだ。フツーに考えれば「ドラ1不在」の年は期待薄ということになる。ちなみにこの年、僕はドラフト直前に東洋大の取材をして大学左腕NO.1の藤岡貴裕の行き先を気にかけていた。ファイターズも競合覚悟で指名しないかなと思ったが、3球団1位競合の抽選でロッテ入りが決まった(後にファイターズのユニフォームを着ることになる)。ちなみに東洋大からはもう一人、鈴木大地がロッテ入りした。
 
 しかし、ファイターズの2011年ドラフトは「ドラ1不在」を微塵も感じさせない大豊作となった。驚いたことにエース上沢直之、侍戦士・近藤健介、2022年首位打者・松本剛とパ・リーグの顔が輩出している。これに石川慎吾を加えた高卒ルーキー組は仲が良く、後に「上沢が投げる試合では近藤が打つ」といった特別な絆(というかジンクス?)が評判になった。

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